【時視各角】憤怒社会の果て=韓国
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2023.08.14 13:35
カフェにノートブックや携帯電話、カバンを置いて席を離れても持っていく人がいない安全な国だった。外国人が一様に驚いた。治安だけは確実だということも過去のことになるのか。わずか数日の間に、白昼の都心の真ん中で恐ろしい通り魔凶器事件が立て続けに起きた。平凡な日常を営んでいた市民が罪のない命を失った。海外ニュースでも見かけた「一匹狼」たち(Lone wolves)による無差別テロだ。生死を分けたのは運良くその時その場所にいなかったということだけだ。
ネット上には殺人予告文があふれている。およそ半月の間に315件の書き込みがあり、119人が検挙、12人が拘束された。検挙された人の52%が未成年者だった。「いたずらだった」という釈明が多いが、「女性20人殺害予告」をした20代男性は裁判にかけられた。過去5カ月間、殺害脅迫など女性嫌悪文を1700件書き込んで凶器を購入し、検察は女性嫌悪犯罪と断定した。プロゲーマーのFAKER、企画会社のHYBE(ハイブ)・SMも脅迫を受けた。流行のように広がり真偽が分かり得ない場合も多いが、社会の至るところに蓄積した攻撃性と怒りが一触即発状態であることは明らかだ。怒りが蔓延し、集団化した怒りが葛藤と犯罪につながる「憤怒社会」に生きているという事実を新たに気づく。