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【コラム】『オッペンハイマー』と光復節=韓国

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2023.08.09 11:19
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「原子爆弾の父」と呼ばれる米国物理学者の生涯を描いた映画『オッペンハイマー』が韓国で15日の光復節(解放記念日)に公開される。『インターステラー』(2014)で1000万人の観客を動員する大ヒットを記録したクリストファー・ノーラン監督の新作だ。北米では先月21日、『バービー』と同時に公開された。しばしば、ハリウッド映画を世界最速で公開する韓国で、なぜこの映画だけが光復節に合わせて遅く公開されるのだろうか。ユニバーサル・ピクチャーズ・コリア側は「韓国大作の封切り日程を考慮した決定」と述べたが、光復節特需を狙ったものと解釈される。オッペンハイマーの実際のモデルであるロバート・オッペンハイマー(1904~1967)は、第2次世界大戦当時、日本の敗戦を早めた原爆開発プロジェクトを主導した人物だからだ。

米国が1945年8月6日と9日の2度にわたって広島・長崎に原爆を投下した後、日本は降伏を宣言した。数十万人が死亡し、後遺症の大きかった核兵器に対する批判も激しかった。『オッペンハイマー』はこのような被害描写よりも、統制不能のパンドラの箱を開けたオッペンハイマーの苦悩に集中している。先立って「バーベンハイマー(バービー+オッペンハイマー)」パロディが原爆を戯画化しているという指摘が出た日本で『オッペンハイマー』の公開がなかなか決定しない背景だ。

 
夏市場終盤の光復節には通常、歴史物が強かった。親日派の暗殺作戦を描いた『暗殺』(2015)も光復節当日に観客動員数1000万人を達成した。不当な外国勢力に苦しんだ韓国現代史を振り返る意味がある。日本の原爆被害は韓国の光復(解放)を早めたが、当時被爆で苦しんだ人々の中には現地の朝鮮人が日本人の次に多かった。戦争の苦痛は国籍を問わない。『オッペンハイマー』の光復節公開を巡るパラドックスだ。

ナ・ウォンジョン/文化部記者

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