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【コラム】韓国のマンション残酷劇…それよりひどい現実

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2023.08.02 11:32
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今夏、韓国映画ビッグ4の中で『コンクリート・ユートピア(原題)』(9日公開)は極限の災害の中でマンションによって分かれた階級、集団利己主義の素顔を露呈させる。大地震が飲み込んだ廃墟の中でマンション1軒だけが生き残った。生きるために押し寄せてきた外部の人を受け入れるかどうかをめぐり、入居者たちは衝突する。

ウェブトゥーン(オンライン漫画)原作の漫画のような想像だが、実話をモチーフにした他の競争作よりむしろ現実的だ。「マンション共和国」韓国の実情を暗喩したような部分のためだ。90度に折れ曲がったマンション墓の中に一人でそびえ立つ「皇宮マンション」は俳優イ・ビョンホンが演じた住民ヨンタクの言葉のように「選ばれた」場所の威容を誇示する。「うちの家族が生きるのも大変なのに…」という当座の不満の声の前に「みんな一緒に生きる方法を探そう」という少数の声は力を失う。「選ばれたマンション」を巡って殺し合う流血劇が繰り広げられる。映画『新感染 ファイナル・エクスプレス』のようなゾンビはいなくても、人間が作った地獄絵図が恐ろしいばかりだ。

 
映画の反語法的タイトルは、韓国のマンション文化を研究したパク・へチョン教授(東洋大学デザイン学部)の同名の学術書から取った。「マンション万能主義」は私たちをどんな結末に追い込むのか。演出を担当したオム・テファ監督はピカソの名作「ゲルニカ」を参考にしたという。韓国のマンションを見てナチス・ファシストの爆撃に倒れていったスペインの村人たちの絶叫を連想するとは……。

こんな「笑えるけど悲しい」話もある。最近、メディア試写会で主演のイ・ビョンホンが「世の中が全て崩壊したのにマンション一つだけが残ったという設定を知人が聞いて、突然『どこの施工会社か』と質問した」と話した。鉄筋を抜いた「骨抜きマンション」のせいだ。スクリーン外の現実が時には映画を圧倒する。

ナ・ウォンジョン/文化部記者

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