【社説】毎年繰り返される雨の被害惨事、後進国型の公共災難だ=韓国
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2023.07.17 15:14
公共機関の入社試験を受けに行く妻のきょうだいを励まそうと駅へ向かうバスに乗った30歳小学校教師、世宗(セジョン)市から梧倉邑(オチャンウプ)に出勤中だった47歳の歯医者、友人との旅行のために五松(オソン)駅へ向かっていた24歳の作業療法士。昨日、忠清北道清州市五松邑(チュンチョンブクド・チョンジュシ)の地下車道で冷たい亡骸となって見つかった、悲しみを誘う主人公たちだ。小学校教師は2カ月前に結婚したばかりの新郎だった。歯医者は老いた母に2日に一度は電話をかけて気遣う孝行息子であり双子を含む3児の父親だ。一人娘である作業療法士は手足の不自由な高齢者の患者に笑顔で対応する誠実な若者だった。
私たちの優しい隣人たちを一瞬にしてあの世に連れ去ったのは、一瞬のうちに増えた地下車道の水だった。水は近くの美湖江(ミホガン、昨年美湖川から美湖江に名称変更)からあふれてきたものだった。堤防がしっかりと築かれていなら川の水がここまで入ってこなかったはずだった。川の水が氾濫するほどあふれることはなかった。行政中心複合都市建設庁は既存の美湖川橋の近く追加で橋をかける工事を行っていたが、その過程で堤防の一部を崩した。橋脚設置工事のためだった。最近梅雨期が近づくと施工主は急ごしらえで土を盛って堤防を作り、一昨日未明の集中豪雨で美湖江の水位が上昇するとフォーククレーンで土を追加して堤防を高くする作業を始めた。結局ここが決壊した。水が五松地下車道を満たすのに3分もかからなかった。その中に車両15台が閉じ込められ、昨日夕方までに9人の死亡が確認された。犠牲者が追加で出てくる可能性がある。