校内暴力や新型コロナウイルス感染症が生徒たちの対人関係の悪化に悪影響を与えたという分析もある。教育部関係者は「精神健康専門家から学校が非対面に転換された期間に内在していたストレスが積もり、生ちの心的負担が加重されたという意見もあった」と話した。また「自殺の原因は複合的だが、最近では両親との葛藤状況、未来に対する不安感が多かったとみられる」と説明した。ソ・ゴウン研究委員は「自殺・自害危険群青少年の場合、両親との関係が良くない場合が多いが、このような場合、両親の同意がなく適切な相談または治療を受けられない悪循環が発生する」と指摘した。

青少年自殺増加の原因を一つや二つと断定することはできないが、ＳＮＳなどの環境の変化に注目しなければならないというのが専門家の指摘だ。大韓神経精神医学会は最近、「インターネットサイトとソーシャルメディアは自殺を煽る恐れがある。自殺同伴者の募集、具体的な自殺方法の提示、自殺誘導、自殺ツールの販売など自殺を誘発する情報に対する処罰を強化し、積極的に遮断しなければならない」と指摘した。

精神科診療を受けられない事情がある生徒が多いだけに、学校の役割が重要だ。専門相談教育研究会のイ・ウンジョン会長は「学業中断から学校暴力、情緒・行動まですべての問題を相談教師１人が担当している」と指摘した。昨年４月基準で全国小・中・高校および特殊・その他学校の専門相談教師配置率は４４．７％だ。チョン・ギョンヒ議員は「教育現場で相談指導を増やし、家庭や学校、社会で構成されたセイフティネットをより強化しなければならない」と話した。

ソウル中東（チュンドン）高校のイ・ジェヨン保健教師は「生徒の極端な選択が発生すれば、学校は他の生徒たちが受ける傷を抱える必要がある」とし、「学校全体が危機状況にある時、精神健康医学科の先生が学校を訪問して感情的にどのような支援が必要なのか診断を下すなどの措置が切実だ」と話した。

ソ・ゴウン研究委員は「生徒個人の自殺、自害だけに焦点を当てるよりは保護者、周りの友達、現場従事者、一般青少年および教職員など地域社会全般に政策の対象を広げる必要がある」と話した。慶煕大学精神健康医学科のペク・ジョンウ教授は「海外の先進国はすでに青少年のうつ病の有病率が増加した経験をもっている。米国や欧州では青少年が両親の同意を得ずに精神科の診療が受けられる環境」とし「診療可能な年齢を下げるなど、より積極的な対策が必要だ」と述べた。

韓国、昨年小学生１１人が極端な選択…５年前より２６６％増（１）