【借金の罠にかかった韓国MZ世代】初めて経験する株式・コイン暴落相場…20代のうつ病127%増(1)
ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版2022.07.30 14:01
工学部の大学院生チョンさん(32)は2020年初めから仮想通貨への投資を始めた。学部を卒業して大企業に入社した友人が高い年俸を受け、国内外の優良株に投資して資産を増やしているの見ながら、相対的な剥奪感を感じたからだ。チョンさんは「友人が2、3年間貯めたお金と融資を受けて購入したアパートがあっという間に2、3倍に上がるのをみると、自分のような庶民の大学院生は永遠にマイホームを買えないという気がした」と振り返った。少ない資金で高い収益を望んだため、投資対象はコインや先物のような高リスク商品ばかりだった。家賃を上げる代わりに保証金を返してもらい、貯蓄銀行や貸付業者などからの融資で2000万ウォン(約200万円)を準備し、投資を始めた。しばらくは順調に収益を出していたが、金利上昇とコイン・株の急落で状況は変わった。チョンさんは「返済するのが難しくなり、個人再生手続きを申請すべきかどうか悩んでいる」と話した。
借金の罠にはまったMZ世代(1980年-2000年代初め生まれ)が苦しんでいる。金融監督院の統計をみると、20代への貸出が質的に悪化している点がよく表れている。今年3月末基準で20代の家計貸出残額は昨年末比1463億ウォン(0.2%)減の95兆665億ウォンだった。家計貸出総量規制で銀行が貸出の基準を引き上げ、銀行の貸出が4192億ウォン減少したからだ。しかし相対的に金利が高い第2金融圏の貸出はむしろ2729億ウォン増えて27兆ウォンに迫った。多重債務者数も5000人減ったが、唯一20代は37万4000人と5000人増えた。多重債務者は3カ所以上の金融機関(貸付業者含む)から融資を受けた人をいう。この資料を提供した共に民主党の陳善美(チン・ソンミ)議員は「新型コロナで沈んだ景気が回復する前に金利が急激に上がり、社会新人の負債の負担が過度に増えている」とし「青年の第2金融圏からの融資、多重債務を管理する対策の準備が急がれる状況」と指摘した。