【コラム】韓国10ウォンパンと日本10円パン、同じパンでも異なる運命
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2023.07.14 16:02
先日、ソウル鍾路区(チョンノグ)の広蔵(クァンジャン)市場を行ってきた。清渓川(チョンゲチョン)側から市場に続く入口で特異なパンを売っていた。慶尚北道慶州(キョンサンブクド・キョンジュ)で人気を呼んでソウルにも進出したという10ウォンパンだった。丸いパンの前面には慶州の代表的文化財である仏国寺(プルグクサ)多宝塔の形が鮮明だった。パンの裏面には10という数字とともに1966という年度表示があった。韓国銀行が初めて10ウォンのコインを発行した1966年を示している。
今はめったに見ることのない昔の硬貨の形をしたパンに出会うと懐かしくうれしい気持ちがした。子どものころ、10ウォンのコインを持って麩菓子やポンテギ(蛹を蒸して味付けしたもの)のような間食を買って食べた思い出も思い浮かんだ。広蔵市場の10ウォンパンの価格は3000ウォン(約327円)。客の目の前でパンの型に生地を注いでチーズをいれるところを見るとかなり美味しそうだった。Netflix(ネットフリックス)ドキュメンタリー(『ストリート・グルメを求めて:アジア』)で海外にも知らされた広蔵市場は外国人観光客が多く訪れる名所だ。慶州や広蔵市場を訪問した外国人には世界で韓国にしかない10ウォンパンが特別な思い出になりかもしれない。