韓国最大野党・共に民主党が２７日、国会農林畜産食品海洋水産委員会（農海水委）全体会議で与党議員が退場した中、「福島汚染水放出計画撤回および水産物安全性と漁業人保護対策準備要求決議案」を奇襲処理した。

この日、農海水委を通過した決議案には▼日本政府の福島原発汚染水海洋放出決定を強く糾弾して海洋放出推進を撤回させる▼韓国政府が国際海洋法裁判所に提訴および暫定措置を請求する▼漁業人保護対策を用意する－－ことを求める内容が盛り込まれた。

決議案は当初、この日の会議の案件ではなかった。しかし野党幹事の魚基亀（オ・ギグ）議員が会議開始から４０分後、「日本政府の福島汚染水放出関連資料提出要求の件と汚染水放出計画撤回および水産物安全性と漁業人保護対策準備要求決議案をそれぞれ上程して審査してほしい」と議事日程の変更同意を要請した。すると民主党所属の蘇秉勲（ソ・ビョンフン）委員長は「議事日程変更同意書が書面で提出され、尹才ガプ（ユン・ジェガプ）議員（民主党）の賛成があった」とし、即席で案件として上程した。

与党・国民の力は激しく反発した。与党幹事の李達坤（イ・ダルゴン）議員は「決議案を作るなら与党と相談して事前に合意すべきであり、懸案質問をして最後に突然出せば我々はどうやって見ればよいのか」と抗議した。国民の力所属の洪文杓（ホン・ムンピョ）議員は「民主党が単独で声明を発表するべきであり、委員長の提案で決議案を通過させてはいけない」と主張した。

しかし蘇委員長は「反対なら表示をすればよい」として表決を強行した。与党議員が抗議して退場した中、福島汚染水放出関連資料提出要求の件（第１７８項）と決議案（第１７９項）は在席１１人のうち１１人の賛成を受けて上程・議決された。元民主党で無所属の尹美香（ユン・ミヒャン）議員も賛成した。

民主党が決議案採択を強行したのは７月に予定している大規模場外集会の前哨戦の性格が強い。民主党関係者は「内部的に福島汚染水放出が迫っているとみている。使用できるカードをすべて取り出す」と話した。この日、朴光温（パク・グァンオン）院内代表は政府・与党に向けて▼６カ月間の海洋投棄保留▼韓日共同の環境影響評価▼国際海洋法裁判所に対する暫定措置請求など７件の内容を列挙し、「日本政府に要請して必ず貫徹させることを求める」と述べた。

この日午後に開かれた国会環境労働委員会でも福島汚染水放出問題をめぐり与野党の攻防があった。民主党の盧雄来（ノ・ウンレ）議員は韓和真（ハン・ファジン）環境部長官に対し「（汚染水が）それほど安全ならば自分たちの近海にまいて自分たちの農業・工業用水として使用すればよいはずだ」と問いただした。禹元植（ウ・ウォンシク）議員も「（汚染水を）海に３０年間流すが、３０年後にその海が安全か確認してみたかのか。それが科学だ」と話した。すると与党幹事の林利子（イム・イジャ）議員は「では、ＴＨＡＡＤ（高高度防衛ミサイル）はどうなったのか。ＴＨＡＡＤの電磁波で死んだのか」と返すなど、与野党間で激しい言い争いがあった。