ヒョンデ（原題自動車）グループが米国と中国で異なる市場戦略を公開し、注目を集めている。今月に入ってそれぞれ開かれたモーターショーでのことだ。

ヒョンデグループは今月５日に開かれた２０２３ニューヨーク国際オートショーで電気自動車の紹介に集中した。起亜（キア）ＥＶ９を北米で初めて公開し、電気自動車の「新型コナ（ＫＯＮＡ）」も発表した。ＥＶ９はヒョンデグループが公開する初の大型電気自動車モデルだ。起亜自動車は今年下半期から米国市場でＥＶ９の販売に乗り出す計画だ。起亜自動車は来年、米ジョージア工場でもＥＶ９を生産する予定だ。インフレ削減法（ＩＲＡ）の施行による販売量の減少を防ぐ狙いだ。

ヒョンでグループは北米市場で販売台数を安定的に維持している。昨年の場合、米市場で１４７万４２２４台を販売し、過去２番目に多い販売台数となった。中国の販売量はこれとは逆だ。ヒョンデグループの中国内の年間販売台数は１００万台を超えたこともあったが、昨年は２７万台水準に落ちた。

ヒョンデグループは１８日に始まった２０２３上海国際モーターショーで「物量戦」に乗り出した。電気自動車を含む内燃機関自動車も網羅した。ヒョンデはここで「アバンテ（輸出名：エラントラ）」のＮデザインを世界で初めて公開した。高性能車Ｎブランドは上海モーターショーを皮切りに、中国市場で初めて公開する予定だ。中国型「ツーソン（Ｔｕｃｓｏｎ）」Ｎライン、「ラフェスタ（Ｌａｆｅｓｔａ）」Ｎラインも公開した。中国戦略型ＳＵＶ「ムファサ（ＭＵＦＡＳＡ）」も上海モーターショーで初めて公開した。ムファサはツーソンとコナの間にあるモデルだ。同時に、水素燃料電池自動車の中国型「ネッソ（ＮＥＸＯ）」も展示した。

起亜自動車は上海モーターショーで、中国戦略型モデルのＥＶ５を披露した。ＥＶ５は準中型級モデルで、中国現地で生産・販売する予定だ。これはテスラモデル３などが先取りしている中国市場を攻略するという狙いに読まれる。米市場で今年発売予定の起亜ＥＶ９は、中国市場では１年ほど遅らせ、来年ごろ公開する計画だ。

自動車業界では、ヒョンデグループが上海モーターショーを通じて中国市場をあきらめるつもりはないことを示したという評価が出ている。起亜中国法人のキム・ギョンヒョン総経理は上海モーターショー会場で「中国市場は起亜グローバル戦略の核心拠点」とし「２０３０年までに中国で年間４５万台の販売を目指し、このうち４０％を電気自動車として販売する計画」と述べた。