韓国政府がＫ観光を前面に出した内需活性化対策を新たに打ち出した。国内の観光回復のために３万ウォン（約３０４０円）の宿泊クーポン、１０万ウォンの休暇費支援など６００億ウォン規模の財政を投じて、訪韓観光客１０００万人以上を目標に日本や中国などでオーダーメード型マーケティングを繰り広げる計画だ。

尹錫悦（ユン・ソクヨル）大統領は２９日、龍山（ヨンサン）大統領室で開かれた第１５回非常経済民生会議で「一にも二にも三にも民生」としながら「内需活性化のために関係部署長官が非常な覚悟で臨んでほしい」と注文した。朴普均（パク・ポギュン）文化体育部長官は「２０２３韓国訪問の年を迎えて代替不可能な観光の武器『Ｋ－カルチャー』を搭載してインバウンド観光回復の変曲点にする」と尹大統領に報告した。

◇大口客の日本人、中国人観光客を迎えろ

文化体育観光部はまず第１の訪韓観光国である日本と中国を中心にオーダーメード型マーケティングを行う計画だ。日本では４月末からゴールデンウイーク（４月２９日～５月７日）が始まるので世代別マーケティングを行う。Ｋビューティー、Ｋファッション、Ｋ美食（グルメ）などに関する日本ＭＺ世代の関心が実際の訪問につながるように「韓日未来文化観光同行プロジェクト」を稼動する計画だ。元祖韓流ドラマ『冬のソナタ』の日本放映２０周年を記念して、中壮年韓流ファンを狙った『冬のソナタ思い出再構成』キャンペーンも推進する。

支出が大きい中国人観光客の需要も攻略する。中国メーデー（４月２９日～５月３日）を迎えて「韓国にもう一度行こう」キャンペーンを進め、韓国旅行商品購入者を対象にショッピング・インセンティブ・マーケティングも行う。５月には北京でＫ観光ロードショーも開催する。パリ・ロンドンでは「テイスト・コリア」を開催するなどＫ美食も刻印させる計画だ。

◇青瓦台観光クラスター構築

青瓦台（チョンワデ、旧大統領府）を前面に出した観光対策も打ち出した。文化体育観光部は青瓦台と景福宮（キョンボックン）、北村（プクチョン）・西村（ソチョン）、北岳山（プガクサン）Ｋクライミングを構成して青瓦台観光クラスターを作り、Ｋ観光ランドマークとして積極的に広報する方針だ。

釜山（プサン）ドリームコンサート（５月２７日）、ロッテ免税店ファミリーコンサート（６月１６～１８日）、コリアサマー（ビューティー）セール（７月）などの開催で全世界のＫカルチャーファンダムを韓国訪問の需要につなげていくという目標も立てた。医療観光・国際会議・ラグジュアリー観光も推進する。地域別重点診療分野と対象国家を連係した「オーダーメード型医療観光パッケージ」を用意し、博物館・公演・食べ物をひとつにした「プライベート特別文化体験」商品も公開する。

◇宿泊クーポン、休暇の費用など６００億ウォン支援

韓国政府は国内観光活性化ために６００億ウォン規模の財政を用意することにした。宿泊施設３万ウォン割引券１００万枚、遊園地（テーマパーク、ウォーターパークなど）１万ウォン割引券１８万枚などを提供して国民の旅行負担を軽減する計画だ。

労働者休暇支援事業も需要により９万人から最大１９万人まで拡大する。中小・中堅企業が１０万ウォン、労働者が２０万ウォンを旅行者金として積み立てれば政府が１０万ウォンを追加で支援する事業だ。

朴普均長官は「Ｋ観光は内需活性化の特級エンジン」としながら「韓国人の海外旅行ブームを国内に回す一方、多くの外国人旅行客に韓国に来てもらうようにし、さらに多くお金を使ってもらうようにしたい」と強調した。