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韓米結束を口実にした北朝鮮の挑発の思惑(1)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2023.03.28 11:52
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北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が最近、軍関連の公開活動に集中し、軍事的密着を強める韓日米に向けた核の脅威を高めている。北朝鮮は発射場所と発射プラットホームの多様化に注力し、自国の戦争抑止力を浮き彫りにする戦術を進める姿だ。

◆タイミング合わせた金正恩の挑発

 
金正恩委員長は先月末、異例にも農村問題を単一案件として上程した労働党全員会議拡大会議(第8期第7回)を開催し、民心をなだめるような動きを見せた後、韓国と米国を狙った核・ミサイル関連の公開活動に注力している。

北朝鮮国営メディアによると、金正恩委員長は8日の近距離弾道ミサイル(CRBM)発射を参観したのに続き、11日に労働党中央軍事委員会を開いた。16日には新型大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星17型」発射訓練を指導し、18日から19日には短距離弾道ミサイル(SRBM)発射訓練を参観した。21日から23日までは核魚雷の一種「ヘイル」と戦略巡航ミサイルの空中爆発打撃訓練を現場で指揮した。

こうした金委員長の今月の公開活動はほとんどが韓米軍事訓練に対する対抗の性格を帯びている。専門家の間では、北朝鮮が朝鮮半島周辺で新冷戦構図が発現する状況を利用し、自国の国防力強化戦略を達成すると同時に、有利な対内外環境を形成する狙いがあるのではという分析が出ている。

◆金正恩委員長が狙った「一石四鳥」

専門家らは、北朝鮮が韓米連合訓練を口実にして続けている挑発は「一石四鳥」の効果を狙っている、と分析した。

まず、最近の北朝鮮の挑発は、米中戦略競争とロシアのウクライナ侵攻をきっかけに「反米連帯」を強化している中国とロシアの動きと重なっている。特に中露が国連安全保障理事会(安保理)で米国主導の対北朝鮮制裁に協力せず、北朝鮮の挑発に対する国連レベルの制裁は事実上無力化した状態だ。実際、国連安保理は北朝鮮の弾道ミサイル発射を議論するための会議を続けているが、毎回、中露の反対でこれを糾弾する議長声明さえも採択できずに終わる。

金正恩委員長はこうした情勢を積極的に活用する姿だ。金委員長は昨年末の労働党全員会議拡大会議(第8期第6回)で「(米国が)日本、南朝鮮との協調実現を本格的に推進し、『同盟強化』の看板の下『アジア版NATO』のような新しい軍事ブロックを形成することに没頭している」と主張し、自国の挑発による新冷戦構図加速化の責任を韓米に転嫁したりもした。

◆核心は米国の関心

こうした居直り戦略の目標は米国の関心という見方が多い。

米朝首脳会談に応じたトランプ前政権とは違い、バイデン政権は対外政策の優先順位で北朝鮮問題を後回しにしている。北朝鮮は昨年下半期に実施された韓米連合空中訓練「ビジラントエース(Vigilant ACE)」への対応レベルでICBM、SRBM、戦闘機、放射砲など可用な軍事戦力を総動員して脅威を高めたが、バイデン政権は北朝鮮の核問題を依然として対中国政策とウクライナ戦争対応などの後ろに順位を置いている。

したがって、北朝鮮が最近、韓米の従来のシステムで対応が難しい多様な発射プラットホームに戦術核弾頭を搭載したと主張するのは、最終的に米国の関心を北朝鮮に向けて今後展開される可能性がある対話を有利にする狙いがあるというのが、専門家らの大体的な分析だ。

慶南大のイム・ウルチュル極東問題研究所教授は「北が韓米の通常戦力に対する劣勢を克服するために戦術核カードを前に出している」とし「これを通して韓半島(朝鮮半島)問題の主導権は自分たちが持つという点を強調する側面もある」と話した。

韓米結束を口実にした北朝鮮の挑発の思惑(2)

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