【時視各角】銀行破綻は他人事だろうか=韓国
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2023.03.23 12:06
銀行は資本主義システムに不可欠な存在だ。資金を仲介・供給する銀行がなければ経済は動かない。壊れたからとむやみに放り出すこともできない。2008年にそれを経験した。米国が不良のかたまりである投資銀行リーマン・ブラザーズを市場原理の通りに破綻させて世界的金融危機を迎えた。ところが国際金融の中心である米国と欧州で再び大型銀行の破綻と没落が広がっている。欧州では167年の伝統を持つスイス2位の銀行であるクレディスイスがUBSに買収され消えている。顧客の秘密保障で有名なスイス銀行史の証人だった。米国ではベンチャー企業の主取引銀行だったシリコンバレー銀行(SVB)が破綻した。
2つの銀行沈没の共通点は激しい大規模預金引き出しだった。クレディスイスはスイス中央銀行が540億ドルの緊急資金支援に出たが、1日に100億ドルが引き出される状況に耐えられなかった。SVBは資金危機が知らされた翌日だけで420億ドルの預金が引き出された。これにはスマートフォンで簡単に巨額を振替できるモバイルバンキングが決定的な役割をした。
両行の悲運は見落としてはならない示唆点を投げかける。信頼を失った銀行で取り付け騒ぎは過去にもあったが、デジタル金融時代では次元が違った。顧客が光の速度で離脱する。