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ロシアとウクライナの戦争1年、国際政治激変…米vs中ロの対立高まる、韓半島に飛び火の懸念(2)

ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版2023.02.05 11:24
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だからと国防力強化だけが答になることはできない。複雑な地域情勢の中でわれわれの国益を守ることができる、より「精巧な」外交がいつになく重要な時期だ。何より堅固な韓米同盟が中心とならなければならない。もしウクライナが北大西洋条約機構(NATO)の一員だったならロシアが戦争を始められただろうか。一部ではNATO式核共有の主張も提起されるが、現実化の可能性は大きくない。ドイツの首相が押せる核ボタンは存在しない。非核国とは核兵器を共有しないという米国の確固とした方針のためだ。このように冷静な国際現実を考慮する場合、韓米同盟に基づいて米国の核の傘を確実に維持するのが最善の方策だ。

注目すべき点は、韓米同盟を強調することが米国の世界戦略にむやみに従って行くことを意味したりはしないということだ。ウクライナのケースで見るように、自由陣営の辺境国が米国の攻勢的安全保障政策にだけ頼る場合、武力紛争に巻き込まれる可能性が大きくなる。場合によっては代理戦を行わなければならない状況に置かれる恐れもある。特に韓半島は世界のどの場所より人口と軍事的密度が高い地域だ。韓半島の戦争は被害規模や後々の影響の側面でウクライナ戦争とは比較できないほど悲劇的な災難を招く公算が大きい。

 
さらに韓国は日本より北側に位置しており北朝鮮とも直接対峙しているだけに、より柔軟な外交戦略は避けられない状況だ。冷戦時代のフィンランドがそうだった。国境を接した旧ソ連に融和的外交政策を展開するのに対し、一部西側諸国の間では「フィンランド化」をばかにする声も少なくなかったが、結局は旧ソ連の衛星国に転落せず戦争することなく自由民主主義を守ったという評価を受けた。堅固な韓米同盟を維持する中でこうした地政学的特殊性を持続的に知らせれば米国も韓国の立場を十分に理解することになるだろう。

ウクライナ戦争が与えるまた別の教訓は、この100年のウクライナの桎梏の歴史から探すことができる。ウクライナは1922年にソビエト連邦の共和国になった。この時ロシアと近い東側地域の住民らが共産党を背に負って前面に出た。1941年にナチスドイツが進撃してくると今度は西側住民らがナチスに同調して腕章をはめた。プーチンが今回の戦争の名分として「脱ナチ化」を掲げた背景だ。こうした歴史の中でウクライナ国民は東西に分かれて互いを排斥し元に戻すのが難しい傷を負わせた。国際社会ではこうした長い間の内部分裂がプーチンの戦争挑発をあおったもうひとつの要因になったという分析も少なくない。

最近の北朝鮮の相次ぐ挑発に対抗し韓国政府も断固とした対応に乗り出している。確固とした決戦の意志を表明することにより北朝鮮の武力挑発の意志を折るというメッセージだ。忘れてはならないのは、戦争よりも重要なのは平和という事実だ。歴史的にも相手方の意図を間違って解釈したり、互いの対応が相乗作用を起こして全く意外に、偶発的に戦争が始まるケースが多かった。この1年間ウクライナ国民が体験しなければならなかった残酷な苦痛は、どうにか戦争は防がなければならないという正当性を再確認させている。国民的団結を強固にする中で国益を最優先視する外交戦略がいつになく切実に要求されるのもこうした理由からだ。

趙顕(チョ・ヒョン)/元駐国連大使

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