【社説】中国の短期ビザ中断は遺憾…韓国外交に防疫を利用しないように
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2023.01.12 09:40
中国が韓国人に対する短期ビザと経由ビザの発行を突然中断して波紋が広がっている。韓国政府の中国人入国制限措置に伴う対等な措置だと主張しているが、相互主義から外れた過剰対応という批判が出ている。特に、2016年在韓米軍部隊に高高度ミサイル防衛(THAAD)体系配備以降、中国の不当な「限韓令」報復によって、そうでなくても嫌中感情が高まっているのに、今回の措置が韓中関係をさらに困難なものにしないだろうか心配だ。
中国の措置は韓国政府が今月2日から中国からの入国者に対して短期ビザ発行を一部制限し、入国前後にコロナ検査を義務づけたことに伴う報復次元とみる見解が多数だ。中国は日本に対しても短期ビザの発行を突然中断した。これに先立ち、イタリア・スペイン・米国などが中国人の入国を制限した。だが、中国に入国制限を加えた16カ国のうち唯一韓国と日本に対してだけ短期ビザ発行を中断して差別的報復という指摘が出ている。韓日米安保協力強化の動きを牽制(けんせい)するための中国の選択ではないかという疑いまで出ている。防疫を外交に利用したのであれば非難されて当然だ。
中国の措置が9日の朴振(パク・ジン)韓国外交部長官と新任の秦剛中国外交部長の初の電話会談の翌日に行われたことも残念なことこの上ない。当時秦部長は韓国政府が中国人入国者に対して制限措置を取ったことに対して懸念を示し、「客観的で科学的な態度を堅持するよう希望する」と立場を表明した。駐米大使時期、攻勢的な「戦狼(Wolf-warrior)外交」で有名だった秦部長は、韓国側に事前に何も言わずにビザ発行を中断させて外交的欠礼ではないかとの指摘も受けている。