韓国保健福祉部が中国発短期在留外国人感染者に個別ベッドや温水が提供されるホテルの客室を臨時在宅隔離施設として提供していると１１日、明らかにした。最近、韓国の防疫措置強化に対する中国内の不満が高まり「（韓国が）中国人を暗室に閉じ込めて隔離所にはベッドや温水もない」という根拠のないうわさが広がっていることに対して反論に出たのだ。

◇「ベッド・温水ない」主張に客室写真を公開

保健福祉部はこの日午後、「政府が用意した隔離施設の現況を確認してほしい」という記者団の質問に対して参考資料を出しながらこのように明らかにした。保健福祉部は「最大２０５人が入室可能な３つのホテルを隔離施設として運営している」とし、客室内部と隔離者に配られている弁当の写真もあわせて公開した。

「大韓民国の国民も利用している客室で、客室ごとにすべてベッドが配置されている」とし「温水を基本的に提供する清潔なトイレで構成されている」という説明も添えた。この他にも隔離者の生活便宜のために、▽専門通訳者　▽布団・タオル・個人用品要請時は直ちに交替　▽解熱剤・風邪薬・消毒薬のような安全常備医薬品も提供している－－というのが政府の説明だ。

新型コロナウイルス感染症（新型肺炎）中央事故収拾本部医療資源支援チームのキム・ジュヨン・チーム長はこの日午前の会見で、中国ＳＮＳ上などで拡散している一部の悪質なデマに関連し、「根拠のない主張」としながら「大部分はホテルで安全に隔離生活を送っている」と説明した。また「３カ所のホテルは普段中国人観光客が利用している観光ホテル級以上の客室」としながら「利用費用は全額本人が負担している」とも。

最近、韓国の中国発入国者に対する検疫強化措置で中国内の反発が大きくなっている。中国当局は韓国人ビザの発行拒否という報復措置を取り、官営メディアも加勢して批判している。この日、中国官営「環球時報」と英文版「Ｇｌｏｂａｌ　Ｔｉｍｅｓ（グローバルタイムズ）は「韓国は中国人観光客の暴露を合理的に説明しなければならない」という共同社説を出して韓国の規制を非難した。ここには「入国が拒否されたまま小さく暗い部屋に監禁されたままベッドや温水さえない劣悪な環境だった」という中国ネット上の主張が紹介されていた。しかし、保健当局は科学的根拠に伴う措置であるとの立場を再度強調した。

中央防疫対策本部状況総括団のイム・スギョン団長はこの日の会見で「防疫強化措置は客観的かつ科学的な根拠にしたがって下した措置」とし「国民の健康と安全を最優先に考慮して下した決定」と明らかにした。「最も隣接している国家として発生しうる危険性と不確実性が大きくなった状態で苦心の末に下した、避けられない措置」という説明だ。

保健福祉部によると、前日（１０日）基準でホテル３カ所には８６人が隔離中で３２人が１週間の隔離を終えて出所したことが確認された。隔離対象者は中国発入国者のうち仁川（インチョン）空港内の遺伝子増幅（ＰＣＲ）検査で陽性が確認された短期在留者だ。