共に民主党が梨泰院（イテウォン）惨事被害者名簿の公開を繰り返して主張した。

民主党のイ・ソヨン議員は１０日、ラジオインタビューで「聖水（ソンス）大橋惨事など過去のすべての事件で犠牲者名簿は公開された」として「これは一人ひとりの残念な事情を共有し、悲しみを克服していく過程」と話した。パク・チャンデ最高委員も「惨事に対する政府の態度が非常に消極的」とし「惨事を隠して視線を他のところに向けようとするもの」と話した。

これに先立って、イ・ジェミョン代表は９日「梨泰院惨事被害者遺族が反対しない限り、名前と遺影を公開して真剣な哀悼がなければならない」と主張した。同日ユーチューブメディア「ザ・探査」も「梨泰院被害死亡者の名簿はカトリック正義実現司祭団に全て渡した。追悼ミサで全て公開することで暫定合意した」と主張した。しかし、国民の力は「事件を何とか政治的に利用しようとする破倫」（チョン・ジンソク非常対策委員長）という立場だ。

今回の論議の始発点は７日、民主研究院のイ・ヨンヒ副院長が民主党のムン・ジンソク戦略企画委員長に送ったが、マスコミに捉えられたテレグラムだった。携帯メールには「すべての手段を動員してでも全体犠牲者名簿・写真・プロフィールを確保しなければならない」と書かれた。これに対して、民主党は８日まで「（名簿公開議論は）全く行われていない」（呉永煥院内報道官）と一線を画したが、１日で態勢が１８０度変わった。キム・ヨン副院長の起訴、チョン・ジンサン政務調整室長の家宅捜索など、イ代表に向けた検察捜査の度合いが大きくなったことが影響を及ぼしたという分析が出ている。

正義党は１０日「政界が名簿公開の先頭に立つのは悲しみに陥った遺族に対する礼儀ではない」（イ・ウンジュ院内代表）と指摘した。ある惨事遺族は中央日報との電話インタビューで「本当に強行すれば国会を訪ねてでも引き止める」とし「どうか政界は私たちを利用しないでほしい」と訴えた。成均館（ソンギュングァン）大学のク・ジョンウ教授（社会学）は「他の惨事とは違って今回の被害者が特に２次被害に苦しんでいる」とし、「惨事の雰囲気を引っ張っていくとして名簿公開を主張するのは共感を得難い」と話した。

一方、この日午後、国会本会議に民主党・正義党・基本所得党など野党３党が作成して提出した梨泰院惨事国政調査要求書が報告された。民主党は、国民の力との交渉に進展がなくても、２４日の本会議で単独で処理する方針だ。