​中国で観光客が「滑竿夫」と呼ばれる人たちにお金を支払って輿に乗る姿が伝えられ「奴隷輿」をめぐる論議が浮上している。

２８日、鳳凰など現地メディアによると、中国のある有名旅行ブロガーは最近、重慶市武龍県に位置する峡谷「天生三橋」を遊覧した姿を撮影した映像をブログに掲載した。この映像は今月中旬に入り「奴隷輿」という名前で中国各種インターネットポータルや動画プラットフォームに拡散した。

該当映像の中のこのブロガーは、「滑竿夫」と呼ばれる現地人に一定のお金を支払った後、輿に乗って峡谷を登った。輿を担いだ２人の男性は、息苦しい息を吐き出し、汗を流しながら峡谷を登った。一方、輿に乗ったブロガーは、輿に乗って安らかに笑いながら周辺の景色を満喫した。

この映像を見たネットユーザーは「お金を払って貴族になった気分を購入した下品な行動」とブロガーを非難した。彼らは「自ら登ることができるのに、なぜ人間の尊厳を踏みにじるのか」「父親を奴隷のように働かせて気持ち良いのか」など否定的な意見を示した。

一方、峡谷を挟んでいる中国名勝地ではお金を受け取って観光客を輿に乗せる滑竿夫をしばしば目にすることができるが、彼らは該当地方政府の承認を得た会社が雇用した人員だ。突然中国人が敏感に反応したのは、貴族と奴隷を対比させたような場面が平等を重視する若者たちの情緒と衝突したためと分析される。

しかし、あるかごかき（籠を担ぐ人）は現地メディアに「７０歳を超えた老父母や妻、中学生の子供など５人家族を食べさせるのに大きく役立つのがこの仕事だが、なぜ人々が私の仕事を責めるのか理解できない」と吐露した。他のかごかきも「今回の議論で輿に乗ろうとする観光客数も減るのではないかと心配だ」と話した。