「中国のスタースキー選手は米国で生まれ、今も米国に住んでいる」

米紙ウォール・ストリート・ジャーナル（ＷＳＪ）は１１日、１９歳の中国スキー選手アイリーン・グー（Ｅｉｌｅｅｎ　Ｇｕ）をこのように紹介した。アイリーン・グーの中国名は「谷愛凌」だ。

グーは「雪原の曲芸」と呼ばれるフリースタイルスキー選手だ。ハーフパイプ（半円筒形のコースの両端を上がったり下りたりしながら空中回転などを行う）、スロープスタイル〔レールやボックスなどのさまざまなシブアイテム（障害物）を滑り下りたり、ジャンプ台で空中動作を行う〕、ビッグエア（大きなジャンプ台から跳んで空中で回転技を行う）などの細部種目で活躍している。

グーは２０２０年ローザンヌ冬季青少年オリンピック（五輪）ハーフパイプとビッグエアで金メダル、スロープスタイルで銀メダルを獲得して次世代のスキースターに浮上した。昨年フリースタイルスキー世界選手権大会ではハーフパイプとスロープスタイルで金メダルを獲得してしてこの大会で初めて２個の金メダルを首にかけた選手となった。ビッグエアでは銅メダルを獲得した。グーは来月４日に開幕する北京冬季五輪で３個の金メダルを狙う選手の一人に挙げられている。

グーは実力とあわせてそのルックスも注目されている。背１６７センチ・体重５２キロのグーはファッションモデルとしても活動中だ。名品ブランドのルイ・ヴィトンやティファニーなどが昨年グーをモデルに起用した。昨年９月米国ニューヨークで開かれた世界最大ファッション行事メットガラにも参加した。ＶＯＧＵＥ（ヴォーグ）やＥＬＬＥ（エル）など名だたるファッション雑誌にもたびたび登場している。

学業の成績も優れている。２０２０年ＳＡＴ（米国大学修学能力試験）で１６００点満点中１５８０点でスタンフォード大学に合格した。オリンピック（五輪）出場のために学業を１年先送りしたが、国際関係や公共政策に対して勉強する予定だ。バスケットボールや乗馬、ロッククライミングなどさまざまなスポーツを渡り歩き、クラシックピアノも演奏する。またソーシャルメディア「インスタグラム」のフォロワーは約１９万人を抱えるスーパーウーマンだ。

ところがグーには「国籍論争」がいつも付いて回る。グーは２００３年９月３日、米国サンフランシスコで米国人の父親と中国人の母親の間に生まれた。フォーブスによると、グーの母親である谷燕さんは中国北京出身で２０代のときに米国に移民し、ニューヨークのロックフェラー大学で生化学を専攻し、スタンフォード大学でＭＢＡを取得した。谷燕さんはニューヨーク近隣のハンターマウンテンスキー場で初めてスキーをした後、スキーにハマった。グーはそんな母親の後を追うように３歳の時にスキーを始めた。グーに才能を見出した母親はグーをカリフォルニア州とネバダ州の州境にあるタホ湖のスキー学校に行かせた。

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