【コラム】より早く再開されるべきだった韓米連合訓練(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2022.08.26 15:17
3つ目、UFS訓練の再開は北朝鮮と中国・ロシアの期待値と算法に影響を与えることができるという点で必須だった。北朝鮮はより大きなレバレッジを持とうとするレベルで、朝鮮半島の安全保障を脆弱にする各種挑発カードに触れている。サイバー攻撃、西海(ソヘ、黄海)上での軍事訓練、核実験、ICBM試験発射などだ。北朝鮮が挑発すれば韓米は当然、相応の対応をするはずだが、北朝鮮は自ら主導して緊張の程度を統制しようとするだろう。言い換えれば、金正恩委員長は韓米両国が自分よりも恐れていると考えれば、米国が介入したり戦争に発展させるにはあいまいな「グレーゾーン戦略」を試みたり、非対称的(核・化学・生物兵器、弾道ミサイル、サイバーなど)挑発に頼る可能性が高い。UFS訓練の再開は戦時状況に対する韓米の準備態勢強化はもちろん、北朝鮮の挑発後の緊張状況で韓米が制御権を手放さないという意志を見せるものだ。これは北朝鮮の挑発を防ぐのに役立つ。
北朝鮮の攻撃を抑止し、攻撃時には敗北させるためのUFS訓練の範囲に中国・ロシアは含まれないが、今回の訓練再開は両国の期待値にも影響を及ぼす。中国の目標は韓国を地政学的に中立化させ、日本とオーストラリアを孤立させて台湾を包囲することだ。中部欧州での失地回復を図るロシアは、米国の同盟体制がいかなる形態であれ弱まることを虎視耽々狙っている。訓練の再開で韓米は同盟の力を全世界に見せた。より重要なのは尹錫悦政権が朝鮮半島の対外環境を能動的につくるという意志を明らかにした点だ。