【社説】脱北漁民北へ送還写真であらわれた文政府の反人権形態
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2022.07.13 10:30
韓国政府が板門店(パンムンジョム)で北朝鮮への引き渡しに抵抗する脱北漁民を強制的に送還した写真が公開された。統一部が国会の要求で昨日提出した写真10枚には、2019年11月7日に脱北漁民2人を板門店を通じて北朝鮮側に強制送還する衝撃的な過程が写っている。
統一部が撮影した写真には、脱北者は板門店に到着する時から囚人のように縄で縛られていた。顔を隠されたまま板門店の軍事境界線を越えまいと叫びながら強く抵抗し、転倒する姿もあった。当時、政府は2人が板門店に移す際、口をふさいで眼帯をかぶせ、どこに行くのかさえも分からないようにした。板門店で眼帯を外すと、目の前に北朝鮮軍が立っていたため、その場に座り込んだという。反人権的な行為が大韓民国で生じたのだ。
脱北漁民は木船に乗って南下し、同年11月2日に海軍に拿捕された。文在寅政権は合同調査を3日間で終了し、北側に送還の意思を伝えた。強制送還の過程には警察の特攻隊8人を動員した。しかし脱北者を強制送還する行為は現行法違反だ。憲法(3条)は北朝鮮住民を大韓民国の国民と規定していて、韓国に入国すれば当然国民となる。にもかかわらず当時の金錬鉄(キム・ヨンチョル)統一部長官は強制送還直後に国会で「彼らは死んでも北に戻ると明らかにした」という趣旨の発言をし、論議を呼んだ。昨日公開された写真とは180度異なる主張という疑いを抱かざるを得ない。