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【中央時評】国の飛躍を考える=韓国

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2022.06.01 13:03
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人類史に対する深い洞察の中で絶対的境界、絶対的前哨という言葉が存在する。類例が多くないきわめて珍しいケースだ。大陸と海洋、帝国、文明、体制、宗教や理念の間に存在する地域や国を境界・前哨、または、橋梁・架橋という時、この要素が1~2個でなくすべて一度に重なった事例を絶対的境界と呼ぶ。

現代韓国の事例がぴったりこれに該当する。韓国は大陸と海洋の間に位置するだけでなく、米国と中国、東洋と西洋、資本主義と社会主義、自由主義と非自由主義、さらに2つの韓国が恐るべき世界内戦である韓国戦争(朝鮮戦争)を行った典型的な絶対境界国だ。そしていま韓国外交が直面する難関がどの程度なのかを察することになる。

 
現在韓中貿易は韓国の全貿易の4分の1に達する。返還後に中国に編入された香港との貿易まで合わせる場合、これはさらに大きく増える。貿易収支はさらにそうで全貿易収支に占める対中黒字7000億ドルは断然圧倒的だ。韓中修交という外交行為の経済的効果は絶対的だったということだ。香港の5000億ドルまで合わせると、対中黒字は驚くなかれ1兆2000億ドルに達する(香港の貿易はほとんどが対中再輸出だ)。

韓米貿易はさらにそうだった。米国の占領で世界の自由主義国際秩序と資本主義市場経済体制に編入された初期の決定的位置設定、そして米国の援助で支えた戦後初めを除いても、建国から1965年まで韓米貿易と支援が占める金額と割合は絶対的だった。しかし韓日国交正常化後に貿易のトップは韓米でなく韓日に変わり、この順位は朴正熙(パク・チョンヒ)政権時代の1966年から1979年まで続いた。しかし韓国経済が開放経済を指向して1980年からは再び米国が1位を占め、中国に1位を明け渡す2004年まで続いた。2004年からこれまでは変化がない。

韓米・韓日・韓中の外交関係が貿易の関係・規模・割合・順位にそのまま反映されてきたということがわかる。驚くべき数値であり並進だ。韓国が危険な絶対的境界から疾風怒涛のように先進国へと疾走してきた核心原動力のひとつはまさに外交だったのだ。先の客観的統計を通じて外交が貿易で政治が経済で、友好関係がそのまま利益であり繁栄である点を気付かせてくれる。この全体統計は外交・安保と経済・貿易が分離しにくい点を明確に示す。外交・安保・平和が経済・貿易・利益である。

外交が開拓した地平を活用できる能力を企業と民間領域が備えていた点もやはり決定的だった。現在の韓国は半導体、家電、自動車、造船、バッテリーを含め世界標準とバリューチェーンのほとんど頂点に上がってきている。医療、文化、芸術、スポーツの領域も同じだ。技術、国防、貿易、国力は世界トップ圏で戦後最高順位であり、外国の占領と戦争を体験した国としては唯一の先進国入り事例だ。外交の方向と戦略が世界最高水準に到達した民間領域の創意と自律、先導性と拡張性と互いに交わった結果だ。

緊迫した短期危機と激動はあったが韓国の世界での位置付けと経済発展と先進国入りの中心機軸が外交の大成功である点はあまりにも明らかだ。韓米同盟後に渾身の力を出し、まるで後光とクジャクの羽根のように米国・日本・(中東)・(ソ連)・中国・世界へと広がる芸術のような外交を具現したのだ。もちろん根幹機軸として韓米同盟があったから韓日・韓中修交の外交空間が可能だったことは再論の必要はない。韓米同盟があったから韓中修交が可能だったし、韓中修交によって韓中貿易を通じた莫大な貿易利益が可能だったのだ。

歴史上韓半島(朝鮮半島)に存在した国々が世界のどの地域よりも戦争が少ない長期平和と超長期の国の存続が可能だった一番の理由は当代の帝国と比べ決して低くない外交力のためだった。そしてそれを後押ししたほとんど帝国水準に到達した知識と教育、見識と文化水準のためだった。現在のわれわれの平和の原因であり結果であるわれわれの経済・技術・知識・文化を考えると過去もやはり当然の組み合わせだった。外交の失敗はしばしば戦争だった。

国の飛躍を成し遂げた巨人を思い出してみる。永久平和国家を夢見て案出した李舜臣(イ・スンシン)は話す。「万死に一生を顧みず(出万死不願一生之計)」。大陸の辺境国から世界と海洋を抱く平和・橋梁国に向けた方略を提案した閔泳煥(ミン・ヨンファン)は「愚者も千慮に一得有り(愚者千慮必有一得)」と言明する。韓国を大陸から海洋へ、辺境から世界に進むようにした初期の中心人物李承晩(イ・スンマン)は「大韓が現在この状況になったのをすべて総合してみると、清、日本、ロシアの害悪を順に受けた理由も…すべてわれわれが自ら招き入れ彼らの欲を育てこのようにさせたもの」と猛省する。

あ、3人とも身の毛がよだつ絶対的な気持ちだ。外交・安保・平和問題は1千回、1万回考えよう。そして絶対的境界でもう一度絶対的飛躍を夢見てみよう。

パク・ミョンリム/延世(ヨンセ)大学教授・政治学

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