ロシア、ウクライナの隣国モルドバも攻撃か…外信「9日に侵攻も」
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2022.05.03 07:02
ロシアが自国の戦勝記念日である9日に合わせてウクライナとルーマニアの間にある人口400万人の内陸国家モルドバを侵攻する可能性があると英国日刊紙タイムズが1日(現地時間)、報じた。同紙は、「ロシアのウラジーミル・プーチン大統領がすでにモルドバを攻撃することを決めたと確信している」というウクライナ軍消息筋を引用し、「ロシアがモルドバを掌握すればウクライナは軍事的にさらに弱くなるだろう」と指摘した。
1991年旧ソ連から分離・独立したモルドバの東部は人口の30%程度を占めるロシア語使用者が92年ロシア軍の援助で内戦を行ってトランスニストリア(プリドニエスローヴィエ)という名前で別途独立を宣言した。人口47万人の未承認国家であるトランスニストリアには現在1500人のロシア軍が平和維持軍の名目で駐留している。
これに先立って、先月25日にトランスニストリア国家安保省の建物にロケット推進流弾(RPG)と推定される攻撃に続き、26日にラジオ送信塔2棟が爆発されると、トランスニストリア当局は先月28日に55歳以下の成人男性を対象に兵力募集に入った。これに対してモルドバ外務省はロシアがモルドバへの攻撃の口実を作ろうとする「偽旗」作戦の可能性があると懸念しているとAP通信が先月30日、報じた。実際、先月22日にはロシア軍中部軍管区のルスタム・ミンネカエフ司令官代理は「トランスニストリアでロシア語使用人口に対する弾圧がある」と主張した。この地域のロシア語使用者を保護するという言い訳でロシアがいわゆる「特殊軍事作戦」に入る恐れがあるということだ。
ワシントン・ポスト(WP)はロシアがトランスニストリア駐留自国軍をウクライナ侵攻に動員しようと自作劇を行った可能性を提起した。トランスニストリアはウクライナ南西部の湾岸都市オデッサから40キロメートル離れている。
モルドバでは戦争拡大の懸念が高まり、市民脱出の兆しが見えるとガーディアンが報じた。ウクライナからモルドバに移動した避難民の中にはモルドバを離れてドイツなどに移動しようとしている人も出てきている。
ニューヨーク・タイムズ(NYT)はロシア軍のヴァレリー・ゲラシモフ参謀総長が最近ドンバスを含むウクライナ東南部・東部戦線最前方地域を訪問したと報じた。匿名を求めた米軍当局者2人は、ゲラシモフ氏が過去数日間、ウクライナ東部に留まっていたことを確認した。先月30日、米国のナンシー・ペロシ下院議長と共にウクライナを訪問したジェイソン・クロウ連邦下院議員はNYTに「これはロシアの状況が良くないことを意味する」と述べた。
英国タブロイド紙のデイリー・メールはゲラシモフ氏が先月30日にウクライナ東部占領地であるイジウムで足と臀部を負傷したと伝えたが、これは確認されていない。
米政治専門メディア「ザ・ヒル」は元NATO(北大西洋条約機構)欧州連合軍最高司令官のジェームズ・スタブリディス氏が「ロシア軍は開戦後2カ月余りの間に少なくとも12人の将軍を失った。これは現代史に類例がないこと」と話したと伝えた。
5月9日の戦勝記念日にロシアが勝利宣言を行うだろうという一部の推測に関連し、ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相は1日、「軍事作戦を完了するために人為的な時間を定めない」と述べたとタス通信が報じた。