【コラム】退任する文在寅大統領の最後の責務(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2022.05.02 11:29
文在寅(ムン・ジェイン)大統領は「道は遠く、日は暮れた」と吐露した。JTBCの「対談-文在寅5年」で、任期内に取り組んだ終戦宣言が失敗に終わったことを振り返りながら残した言葉だ。終戦宣言だけではない。過去5年間の国政運営を振り返ると悔恨は多いはずだ。なら「私ができなかったことを尹錫悦(ユン・ソクヨル)次期大統領が勇気を持ってうまくやってほしい」と祝福すべきだった。生涯のライバルの金泳三(キム・ヨンサム)・金大中(キム・デジュン)元大統領も政権交代期には毎週会って胸襟を開き、統合の模範を見せた。
しかし退任を控えた文大統領は決心したように分裂の言葉を吐いている。新政権の執務室の龍山(ヨンサン)移転について「青瓦台(チョンワデ、韓国大統領府)という空間が意識を支配し、意思疎通ができなくなるとは。それが納得できるだろうか」と批判した。候補時代には「朝鮮総督府官邸、景武台から続いた青瓦台は我々の歴史で独裁と権威主義権力の象徴」として「光化門(クァンファムン)時代を開く」と約束したのではないのか。なら、たとえ過程が円滑でなくても、自分が守れなかった公約を困難の中でも履行しようとする後任者に敬意を表して協力すべきだった。しかし自身の過去の発言を否定する正反対の奇異な論理を見せている。