韓国で日常回復が秒読み段階に入り、旅行の需要が急増している。海外旅行の場合、新型コロナウイルス感染症（新型肺炎）で２年以上抑圧されていた需要が一気に爆発し、「リベンジ旅行」「怒りの旅行」という言葉が出ている。

２２日、Ｇマーケットとオークションによると、政府の海外入国者資格の義務が免除された直後の先月２２日から今月２１日までの海外航空券の売上は前年同期比１０８６％、海外現地ツアーの売上は１６～２０％増加した。旅行に必要なスーツケースやスーツケースカバーの販売も大幅に増えた。これまで押さえられていた海外旅行の需要に、延期されていた新婚旅行や親孝行旅行の需要も反映されたものと分析される。

テレビホームショッピングでも海外旅行商品は発売後すぐに「完売」するケースが続いている。ロッテ観光開発は今月３日、現代ホームショッピングで販売した「北欧１０日間」旅行商品が２６０億ウォン（約２７億円）台の売上を記録したと発表した。１人当たり６２９万ウォン（約６５万円）という高額にもかかわらず、４０００件を超える問い合わせの電話が相次いだ。ロッテホームショッピングが夏休みに合わせて１６日に販売した「黄色い風船ダナン旅行」は約２６００件、１７日に販売した「実に良い旅行トルコパッケージ」は約３１００件の注文件数を記録した。これを受け、ロッテホームショッピングはベトナム・ダナンとタイ・バンコク、パタヤなど東南アジアの人気旅行地を含め海外旅行の編成を拡大する計画だ。

興味深いのは、長距離旅行に出ようとする人が増えたという点だ。Ｇマーケットとオークションが海外航空券の販売順位を集計した結果、カンボジア、ロサンゼルス、ハワイ、バンコク、バンクーバー、トロントの順だった。販売順位１０位中６カ所が飛行時間６時間を超える長距離旅行地だ。反面、新型コロナ発生前の２０１９年同期には大阪・ダナン・福岡など近隣諸国の人気が高かった。

「チャムチョウンヨヘン（実に良い旅行）」が今月１～１７日に販売された海外旅行商品の地域別予約者を分析した結果でも、欧州が圧倒的に多い７５５３人（６８％）だった。続いて北米・ハワイ１６０７人（１５％）、東南アジア１０３２人（９％）、サイパン・グアム４２７人（４％）の順だった。同期間の予約者（１万１１０３人）も昨年同期（４９７人）より２０倍以上増えた。

一方、Ｇマーケットとオークションによると、５０代以上の顧客の割合が３２％で、３年前（２４％）に比べて大きく増加した。中年男性が家族旅行のために果敢に出費を決断したという分析だ。

Ｇマーケット戦略事業本部のイ・ジュチョル本部長は、「補償心理から、以前は簡単に決められなかった旅行先の人気が高い」とし、「加えて、衛生や防疫水準を考慮し、事前に徹底的に旅行を準備する傾向が一層明確になった」と述べた。