ウクライナ国内の親ロシア派勢力であるドンバス地域の「ドネツク人民共和国」の軍がウクライナ南部マリウポリ港を掌握したと宣言した。

ロシア国営リアノーボスチ通信が１１日に伝えたところによると、ドネツク人民共和国を率いるデニス・プシリン氏はこの日ロシア国営テレビ「第１チャンネル」とのインタビューで、「マリウポリ港がすでにわれわれの支配下にある」と主張した。

マリウポリはクリミア半島とウクライナ東部ドンバス地域、ロシア本土を結ぶ戦略要衝地で、黒海の不凍港確保が宿願であるロシア軍の攻勢が集中したところだ。行政上はウクライナのドネツク州に属する。

ウクライナのゼレンスキー大統領はこの日、「ロシア軍がドンバス地域で『さらに大きな作戦』を準備していることに備えている」と話したとＡＦＰ通信は報道した。

ゼレンスキー大統領は「ロシアはわれわれにはるかに多くのミサイルを使うかもしれない。われわれは彼らの軍事的行動に対抗する準備をしている」と強調した。

だがマリウポリ陥落が迫っているとの観測が出ている。ウクライナ軍第３６海兵旅団はフェイスブックに「弾薬がすっかりなくなりきょうが最後の戦闘になるだろう。われわれのうち一部は死に残りは監禁され、ロシア軍に押され包囲された」と伝えた。

ロシア軍とドネツク軍はすでに１カ月以上アゾフ海沿岸のマリウポリを包囲している。ウクライナでロシアの軍事作戦が始まってから数千人の民間人がマリウポリと周辺地域で死亡したと推定される。