韓国とイランが対戦する。２４日にソウルワールドカップ（Ｗ杯）競技場で２０２２カタールワールドカップ（Ｗ杯）アジア最終予選Ａ組第９戦が行われる。表面上ではＷ杯本大会進出を早期に決めた両国の組１位決定戦だが、この日の試合にはそれ以上の意味がある。アジアサッカーの盟主を決める勝負であり、両国サッカー代表のプライドをかけた対決だ。

独サッカー統計専門サイトのトランスファーマルクトが２１日に発表した世界各国サッカー代表チーム市場価値ランキングによると、パウロ・ベント監督（５３、ポルトガル）が率いる韓国は１億３１７８万ユーロ（１７６８億ウォン、約１７３億円）の価値が認められた。アジアサッカー連盟（ＡＦＣ）加盟国のうち１位で、世界では３６位だ。

イラン選手団の予想移籍料総額は７４３８万ユーロ。わずかな差で日本（７７３５万ユーロ）に次ぐアジア３位だ。世界順位では５４位。全体での市場価値１位はイングランド（１２億３０００万ユーロ）で、フランス（９億８０００万ユーロ）、ブラジル（９億１２５０万ユーロ）が後に続いた。

国際サッカー連盟（ＦＩＦＡ）ランキング２９位の韓国が選手団価値評価でＦＩＦＡランキング２１位（アジア１位）のイランを上回るのは「孫興民（ソン・フンミン、３０、トッテナム・ホットスパー）効果」のためだ。孫興民の移籍市場評価額は８０００万ユーロにのぼる。アジア選手で１位、世界サッカー選手では１６位タイ。韓国代表全体の価値評価額の６０．７％を孫興民１人が占めている。アジアサッカーファンの間で「韓国は孫興民保有国」という羨望の表現が登場したのには理由がある。

イラン選手団全体の期待移籍料をすべて合わせても孫興民１人に及ばない。イランだけではない。ＦＩＦＡ加盟２１０カ国のうち、代表チームの価値評価で孫興民１人の評価額を超える国は５０カ国だけだ。

韓国代表選手のうち価値評価上位圏には孫興民に次いで黄喜燦（ファン・ヒチャン、２６、ウルヴァーハンプトン）、金敏在（キム・ミンジェ、２６、フェネルバフチェ）が入る。最近プレミアリーグに順調に適応している黄喜燦の予想移籍料は１３００万ユーロに上がった。欧州ビッグクラブの間で移籍説の主人公に浮上したＤＦ金敏在も９００万ユーロにのぼる。

イラン選手の中では看板スターのサルダル・アズムン（２７、レバークーゼン）が２５００万ユーロで最も高く、ＦＷメフディ・タレミ（３０、ポルト、１７００万ユーロ）、オランダの名門フェイエノールト所属のＦＷアリレザ・ジャハンバフシュ（２９、４００万ユーロ）が後に続く。

イランメディアのバルジェシセは２０日、「それぞれ欧州組が主力の韓国とイランの対戦は、アジアで最も選手団の価値が高い両国選手団の衝突」とし「韓国は孫興民というワールドクラスのＦＷ選手を保有するが、イランもアズムン、タレミの２トップの価値を合わせれば４２００万ユーロにのぼる」と伝えた。

アジアＦＩＦＡランキング１位（イラン）とワールドカップ（Ｗ杯）本大会１０回連続出場国（韓国）の対戦はプライドを越えて、Ｗ杯組み合わせ抽選の結果にも影響を及ぼす可能性がある。Ｗ杯本大会の組み合わせ抽選は参加国３２チームをＦＩＦＡランキング順に１－４番ポットに８チームずつ分けて配置した後、各ポットから１チームずつ選ぶ方式で進める。高いポットであるほど相対的に戦力が劣るチームと同じ組に入る可能性が高い。

韓国はポット３に入ることを希望している。イランはポット２を狙っている。両国ともに今回の対戦で勝ってこそ目標達成の可能性が高まる。イラン選手団がベント号より一日早い２０日に入国し、早めに適応練習を始めたのもこうした理由のためだ。

韓国は２１日、京畿道坡州（パジュ）代表チームトレーニングセンターに集まり、最初の練習を始めた。孫興民、黄儀助（ファン・ウィジョ、３０、ボルドー）など欧州組は２２日に合流する。

両チームの勝負に影響を及ぼす重要な変数は「１２人目の選手」と呼ばれる観客だ。韓国はイランのテヘラン・アザディスタジアムでアウェー戦をするたびに、圧倒的なホームファンの応援の中で厳しい試合を強いられた。これまで８試合が行われたイラン遠征Ａマッチでは一度も勝利がなく５敗３分けだ。

２４日の韓国ーイラン戦はソウルＷ杯競技場で行われるが、ホームでの対戦成績は１勝１敗４分け。大韓サッカー協会は貴重な１勝を追加するためにファンと共にする特別イベントを企画した。試合当日に観客席を埋めた約６万人のファンと共にカードセクション応援をする予定だ。