プーチン露大統領と親しいロシアの「鉄鋼王」が世界最大規模の豪華ヨットを差し押さえられたと、経済経済誌フォーブスが報じた。

フォーブスによると、ドイツ政府は２日（現地時間）、ロシアの富豪アリシェル・ウスマノフ氏のヨット「ディルバー」をハンブルクのある造船所で差し押さえた。

プーチン大統領と親しいウスマノフ氏は最近、欧州連合（ＥＵ）の制裁リストに含まれた。これに先立ちＥＵはロシアのウクライナ侵攻に対する制裁の一環としてプーチン大統領とロシアの企業・個人に対する財産差し押さえ方針を明らかにした。

ウスマノフ氏は２０１６年にこのヨットをドイツ造船会社から６億ドル（約６９０億円）で購入した。全長１５６メートル、幅２４メートル、総トン数（ＧＴ）１万５９１７トンの豪華ヨットだ。フォーブスは動力付きヨットのうち世界最大規模で、昨年１０月からハンブルク造船所で整備中だったと伝えた。

このヨットにはヘリポート２カ所、サウナ、美容室、スポーツジムがある。このヨットのプールは世界のヨットに設置されたプールのうち最も大きいという。船員は９６人にのぼり、スイートルームは１２室で、客２４人を迎えることができる。

ウスマノフ氏の資産は１４２億ドルで、フォーブスの世界長者番付９９位。鉄鋼会社メタロインベストの共同創業者で、ＵＳＭホールディングスという会社を通じて金属・鉱業・通信・ＩＴ・メディアなど幅広い領域に進出した。

プーチン大統領と親しいウスマノフ氏は「プーチン大統領をよく知っていて誇りに思う。プーチンは好きでないという人たちがいるが、それはプーチン本人の問題ではない」と発言していた。

国際フェンシング協会の会長を務めるウスマノフ氏はＥＵの制裁後、会長から退いた。当時、ウスマノフ氏は「不公正だ。ＥＵが私の名誉、事業的評判を毀損する疑惑を提起しているうえ、事実でないことで制裁を正当化した」とし、法的な対応を予告した。