【コラム】「KAIST50周年ロケット」が失敗した理由3つ=韓国(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2022.01.18 15:11
暮れも押し迫る先月29日午前、済州島(チェジュド)最西端の翰京面龍水里(ハンギョンミョン・ヨンスリ)の海岸に秒速11メートルを超える強い風が吹きつけていた。小さな防波堤の中で小さな養殖場を営んでいる漁村に外地の人々が殺到した。麺料理店の店先に縦7メートル横4メートルの液晶表示装置(LED)を背景にした舞台が設置され、灰色のプラスチック椅子30脚余りが用意された。「KAIST(韓国科学技術院)開校50周年記念民間科学ロケット試験打ち上げ行事」が始まった。KAIST航空宇宙工学科4年生のシン・ドンユン(25)さんが創業した宇宙ロケットスタートアップ「ペリジーエアロスペース(Perigee Aerospace)」とKAISTが共同で製作した科学ロケット「ブルーホエール0.1」を打ち上げる日だ。
行事の進行を担当した司会者の紹介に合わせて済州道知事代行と道議会議長が祝辞を述べた。午前11時53分。議長に続きKAIST副総長の祝辞が予定されていたが、司会者が行事進行を中断してカウントダウンに入った。「5・4・3・2・1、発射」。行事場所から300メートル余り離れたビーチの幅3メートルの防波堤に用意された発射場から、全長3.2メートル、直径19センチ、重さ51キロの小型液体ロケットがふわりと浮いた。防波堤(発射場)から100メートル離れた海女待合室に臨時で用意された統制室ではペリジーエアロスペースの研究員5人がモニターでロケットの軌跡を追い始めた。