韓国政府が新型コロナウイルス感染症（新型肺炎）重症患者の治療のために一般患者の譲歩を要請した。新型コロナのために一般診療に支障が生じ、隔離解除対象患者の強制転院措置を施行したため不満が出たことから、国民の説得に取り組むものと見られる。

権徳チョル（クォン・ドクチョル）中央災害安全対策本部第１次長（保健福祉部長官）は２７日、「特定の重症病床に隔離治療が必要な患者が入院できるように（陽性判定または発症後）２０日以上となる隔離対象患者に転院命令を出した」とし、「このような転院措置は治療中止ではなく新型コロナ治療後に一般診療に切替えるもの」と述べた。

権長官は続けて、「医療資源が限られた状況で新型コロナ病床を確保するうちに、他の一般診療に支障をもたらす場合もある。新型コロナに感染して大変な状況にある私達の周りの家族や隣人のためという思いで譲歩してもらえれば感謝する」と述べた。

政府は来月２日まで適用中の社会的距離確保に関し、今週の防疫状況を総合的に検討した後、新型コロナ日常回復支援委員会など各界の意見を収れんし、３１日に延長の有無を発表する予定だ。段階的日常回復施行後に悪化した重患者室稼働率、一日平均新規感染者数など主要防疫指標が社会的距離確保強化と３次接種率増加に伴い一部改善されたが、依然不安定な時期と分析されている。２７日、中央防疫対策本部の１２月第４週（１９～２５日）の危険度評価の結果によると、全国の危険度は依然として「非常に高い」と診断された。首都圏も同様だ。非首都圏だけが「高い」に一段階下がった。２６日に開かれた日常回復衛生・医療分科委員会会議で、委員らは防疫状況が深刻だということに共感し、日常回復のスピード調整を求めた。