【時視各角】鶏肋になった脱原発=韓国
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2021.11.05 14:24
韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領が意外な発言をした。「炭素中立まで原子力発電所の役割は続く」。ハンガリーのアーデル大統領との首脳会談でだ。大統領の言葉を「秘密の漏洩」と考えたのか、青瓦台(チョンワデ、韓国大統領府)はしばらく沈黙していたが、その後やむを得ず認めた。そして大統領の脱原発の立場は変わっていないと釈明した。苦しまぎれで、不適切に見える。ものを売るために口先だけで話す商売人と、これにだまされる客を連想させる。両大統領に対する冒とくにもなりかねない。
文大統領の発言は脱原発哲学とは当然矛盾する。今回が初めてではない。原発海外セールスをするたびに批判を受けている。しかし今回は「矛盾」よりも「鶏肋」という言葉が浮び上がる。三国志の要衝地、漢中の戦いで疲れた曹操が何気なくつぶやいた言葉だ。食べても腹の足しにならず、捨てるには惜しいものだ。脱炭素時代、脱原発も少しずつそのような対象になっていくのはないだろうか。固執すれば現実性が落ち、捨てれば名分に合わない。