首相を除く閣僚２０人のうち１３人は今回初入閣となる。１年前に発足した菅内閣で初入閣した閣僚が５人にとどまったこととは対照的だ。

新たに閣僚に起用された人物の中には衆議院３選の若手議員も目につく。デジタル相に牧島かれん氏（４４）、五輪・ワクチン担当相に堀内詔子氏（５５）、新設される経済安全保障担当相に小林鷹之氏（４６）がそれぞれ任命された。

自民党総裁選で岸田氏と競い合った野田聖子氏が地方創生担当相に任命されたことをはじめ、女性は３人が入閣を果たした。朝日新聞は４日、新内閣に対して「『老壮青』のバランスをとり『岸田カラー』の演出に腐心した様子がうかがえる」と分析した。

総裁選で岸田氏と競い合った河野氏陣営は今回の人選から排除された。河野太郎氏は自民党広報本部長に職を移して事実上降格となり、スター大臣だった小泉進次郎環境相も職から退いた。河野氏を支持した石破茂氏率いる石破派は今回の人選で要職が一つも得られない冷遇を受けた。

一方、岸田氏は首相就任直後に衆議院を解散する勝負に出る。１４日衆議院解散宣言、１９日選挙公示、３１日投・開票が行われるもようだと日本メディア各紙は伝えた。新型コロナウイルス感染症（新型肺炎）状況が安定傾向に入り自民党支持率が上向きの状況で、この勢いに乗って総選挙まで終わらせるという戦略だ。

岸田首相が文在寅（ムン・ジェイン）大統領と初の首脳会談をいつ行うかも関心事だ。菅義偉前首相は在任期間に一度も文大統領と対面首脳会談を開かなかった。

両首脳が対面できる直近の日程は今月３０～３１日にイタリア・ローマで開かれる主要２０カ国・地域（Ｇ２０）首脳会議（サミット）が挙げられてきた。しかし、衆議院選挙日が３１日に決まり、岸田首相はＧ２０サミットには参加しない意向を固めたと時事通信が伝えた。その代わり、１１月１～１２日に英国で開かれる第２６回国連気候変動枠組条約締約国会議（ＣＯＰ２６）に出席する。

文大統領はこの日、岸田首相の就任にあわせて「韓日関係を未来指向的へと発展させるためにともに努力していこう」という意向を伝える祝いの書簡を送った。青瓦台（チョンワデ、大統領府）の朴ギョン美（パク・ギョンミ）報道官は書簡を紹介して「わが政府は（日本）新内閣と向かい合って座り、疎通する準備ができている」と明らかにした。

岸田首相「金正恩氏と無条件で向き合う」（１）