【コラム】米中「巨大なチェス盤」に敏感な新たな火種タリバン(2)
1月にバイデン政権が発足し、トランプ政権時代の施策を覆す政策が進められたが、中東離れの基調は大きく変わらなかった。アフガニスタンとイラクへの参戦による疲労感と世論悪化、シェールガス開発にともなう中東依存度の低下により中国牽制が優先順位に浮上した。共和党政権が始めたアフガニスタン戦争だったが、同盟と人権、民主主義の旗印の下で米国の帰還を叫ぶ民主党政権でタリバンのアフガニスタン再掌握が広がり米国の20年にわたるアフガニスタン政策は痛恨の失敗で締めくくった。
アフガニスタンはコーカサス、ベトナムとともに「帝国の墓場」と呼ばれる。大英帝国はアフガニスタンを保護国にしたが途轍もない犠牲を払い、米国に先立ちソ連は冷戦最盛期だった1979年にアフガニスタンの社会主義勢力を支援するために戦争を始めた。だが約10年間に天文学的な費用と兵力を失った後に敗退し、その後下り坂を転げ落ち結局ソ連は解体された。