南北(韓国・北朝鮮)通信線は連結から2週間で不通状態となった。北朝鮮の金与正(キム・ヨジョン)労働党副部長が中止を要求した韓米連合訓練を予定通り実行したことに対する反発だろうか。形式的にはそうだが、北朝鮮の思惑ははるかに複雑とみられる。これはコンピューターシミュレーション中心の訓練に対して北朝鮮が見せる過剰反応から分かる。金与正副部長は在韓米軍の撤収とも解釈される主張までして事態を拡大し、さらに金英哲(キム・ヨンチョル)党統一戦線部長はすさまじい安保危機を感じさせるという言葉で韓国を脅かした。規模をさらに縮小した訓練に対して北朝鮮が以前より激しく対応する理由は何か。果たして文在寅(ムン・ジェイン)政権を北朝鮮を正しく理解しているのだろうか。
金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の思惑を知る手掛かりは、北朝鮮政権がどの内容を住民に知らせていないかという点だ。金与正副部長と金英哲部長の談話は公開した半面、通信線の連結は知らせなかった。一見、理解しがたい。通信線の連結は経済的に苦しい北朝鮮住民にはうれしい便りだが、緊張と対決を含蓄する談話は落胆させる内容だ。南北通信線が連結すれば韓国の人道的支援の可能性があり、これは金正恩委員長に対する住民の支持にもプラスになりそうだが、なぜ北朝鮮政権は良いニュースを隠して悪いニュースを公開したのか。この奇異な決定を正しく知るためには、金正恩委員長の視点でこの問題を眺めなければいけない。