【コラム】「ソ連軍=解放軍」用語は世界共産化を狙った宣伝扇動術(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2021.07.21 14:47
逆にソ連軍は本当に解放軍だったのか。そうではない。1945年に38度線の北側地域に進駐したソ連軍を「解放軍」としたのは、典型的な共産主義者のレトリックにすぎない。ソ連は韓半島独立を初めて明らかにしたカイロ会談(1943年11月)の当事国でもなかった。またソ連はカイロ会談を継承したポツダム会談に出席したが、会談期間中に日本の無条件降伏を明示したポツダム宣言(1945年7月26日)に参加しなかった。ソ連が韓半島に突然関心を持ったのは、1945年8月6日の広島原爆投下で日本の降伏が迫ったからだ。当時、ソ連はポツダム宣言が公表されてから10日ほど過ぎた8月8日に急いで戦争終結に参加した。ソ連の利益がかかっているからだった。
しかし韓半島に進駐したソ連軍は日本軍武装解除という名分でさまざまな略奪を繰り返した。当時38度線の北側地域を管轄したソ連民政庁の文書によると、工場設備、穀物と家畜などをソ連に移すため、解放直後から1946年上半期までソ連と北朝鮮の間の一般貨物および旅客輸送を全面中断させた。略奪の対象には女性も含まれた。映画俳優キム・ジミが主演し、イ・ジャンホ監督が制作した映画『ミョンジャ・明子・ソーニャ』に赤裸々に表れている。ソ連軍が韓国人を銃で脅して腕時計を奪い、両手首にまいて喜んだというのも、根拠のない話ではない。