◆裏切られたと感じたイラン、「韓国企業叩き」

制裁の側面で韓国が米国側に立ったことから、イラン側は直ちに「韓国企業叩き」に出た。昨年２月、イラン外務省のアッバス・ムサビ報道官がツイッターにサムスン電子の現地店舗が撤去される写真を添えながら「米国の制裁に加担してイランを離れた国の企業が再びイランに進入するのはかなり難しい」という掲示文を載せたことが代表的な事例だ。制裁が解除された後、韓国企業が再びイラン市場に進出しようとしてもイラン政府次元で不利益を与えるという事実上の警告メッセージだった。

イラン家電協会は昨年２月１５日に現地メディアの寄稿文を通じて「米国の制裁に順応した２つの韓国会社（サムスン電子・ＬＧエレクトロニクス）は部品供給を中断したが、これは結果的にイラン協力会社を制裁したもの」としながら「厳しい時期にイランの消費者を置きざりにして離れた企業」と批判した。

これと関連し、ＫＯＴＲＡ関係者は「イランでは『難しいときの友が本当の友』という言葉が日常的に使われるほど義理を重要視しているが、米国制裁に伴う韓国企業の撤収を一種の裏切りと感じる雰囲気が強かった」と話した。

◆韓国企業に代わった中国ファーウェイ（華為）・ハイアール

韓国企業の撤収で漁夫の利を得たのは中国企業だった。

イラン政府にある背信感よりも、韓国企業が離れた場所を中国企業が埋めていることがイラン市場再進出の大きい障害という懸念も出ている。特に中国のファーウェイ・ハイアールなどはすでにイランに技術を伝授し、イラン市場を蚕食している。外交消息筋は「７０％に達していたサムスンとＬＧの市場シェアをすでにハイアールがすべて蚕食したものとみられる」と耳打ちした。

これに関連し、ＫＯＴＲＡはイラン経済状況分析報告書を通じて「中国は最も積極的なイラン投資国として、制裁期間中に西側企業の空席を埋めた」とし「特に中国は常任理事国の地位を十分に活かして国連安保理内でイランの立場を代弁している」と話した。制裁を守った韓国は不利益を受けて、これを事実上無視した中国が優位を占めることになった矛盾した状況だ。

実際、中国はイランを一帯一路事業の核心パートナーとして認識し、今年３月には政治・経済・貿易分野協力を約束する「包括的戦略的パートナー協定」を約束してイランの攻略に出た。

韓国外大ペルシャ・イラン学科のキム・ヒョク兼任教授は「韓国企業がイランでの事業規模を大幅に縮小し、中国企業の製品とイラン現地製品がその空席をほぼ埋めた」とし「イラン制裁が解除されたとしても、韓国企業だけでなく世界各国の企業のイラン進出が同時多発的に行われて競争が激しくなり、結局過去に韓国企業が持っていたポーションを巡り新たに競争しなければならない状況になるだろう」と話した。

米国を説得して「未収金」だけようやく…イラン制裁に泣いて笑う韓国企業（１）