【時視各角】「解放前後史」からの解放=韓国
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2021.07.13 14:38
「我々の近現代史は正義が敗北し、機会主義が強まった歴史」と述べたのは盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領だった。文在寅(ムン・ジェイン)大統領はさらに具体的に語った。「朝鮮時代の派閥勢力政治で国を滅ぼした老論勢力が日本強占期に親日勢力となり、解放後に反共という仮面をかぶって独裁勢力となり、一度もまともに清算されなかったため、彼らが依然として既得権として残っている」(2017年、『大韓民国が問う』)。そしてこう言う。「何よりも我々のパラダイム自体を変えなければいけない」と。文在寅政権はこのように積弊清算にオールインした理由を説明する。この延長線で「正祖大王が死去し、1800年以降にまともな改革民主勢力が執権したのはわずか10年しかなかった」(李海チャン)という独善と「20年執権論」が出てくる。
こうした歴史認識は気づかないうちに広がっている。いつかタクシーの運転手からこういう話を聞いた。「現在の韓国上流層は2代、3代ほど先祖を遡れば、親日派でない人を探すのが難しいという。だから私たちのように苦労して働いても底辺から抜け出すのは難しい」。初対面の人との政治論争は避けるのがよいという経験則を破って私の意見を述べた。「必ずしもそう見るべきではない。大韓民国のように躍動的な社会変動を経験した国が地球上のどこにあるだろうか。何も持たずに来て板張りの粗末な家の生活から始めた避難民の息子が大韓民国の大統領になっている。韓国経済を左右する財閥も2、3代遡れば普通の家が多い。むしろ今の階層移動のはしごが崩れていることが問題だ」。