【コラム】政治と理念にとらわれた不動産=韓国
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2021.07.07 11:46
現政権は最初から不動産を見る視点が違った。需要と供給の市場原理でなく政治的に接近した。金秀顕(キム・スヒョン)元政策室長は『不動産は終わった』(2011年)に「不動産は経済政策であると同時に社会政策、それ自体が政治でもある」と書いている。「有住宅者と無住宅者の階層の間では投票の性向に差が生じる。マイホーム所有者は保守的な投票性向を見せる」 「地域が再開発されてマンションに変われば、かつて野党の牙城だったところが保守与党の票田になる」…(ソン・ナック氏の著書を引用)。不動産の政治化だ。
進歩側は再開発・再建築・ニュータウン・新都市にも拒否感が強い。「庶民の住居地を壊して上位階層のための高級住居地として提供する」という階級問題と見るからだ。李明博(イ・ミョンバク)政権の成功作である無住宅者向け団地開発に対しても「グリーンベルトを解除するものであり、それ自体が罪悪」と批判した。文在寅(ムン・ジェイン)大統領が「過去のように不動産で景気浮揚をしない」と述べてきたのも同じだ。当初は供給拡大の意志がなかった。その代わり融資規制・再建築規制などで需要を抑制し、保有税の強化で不労所得を集めれば、住居価格を抑えることができると信じた。理念にとらわれた盲信だ。