ロイター通信が２４日（日本時間）、「孫楊は資格停止期間が終わった後、２０２４年７月に開催されるパリオリンピック（五輪）に挑戦するだろう」と報じた。

孫楊は前日、スポーツ仲裁裁判所（ＣＡＳ）で、ドーピング検査を妨害したとして４年３カ月の資格停止処分を受けた。昨年２月２８日から処分を受けているため、７月に開幕する東京五輪には出場できない。故郷の中国杭州で開催される２０２２年アジア競技大会にも出場できなくなった。３年後に開催される仏パリ五輪には出場可能だ。

孫楊は中国メディア「ザ・ペーパー」のインタビューで「私の体は非常に健康だ。このような試練は私をさらに成長させ、強くするだろう」と述べた。選手生活を続けるという意味と考えられる。ロイター通信によると、孫楊の裁判の結果が伝えられると、中国ソーシャルメディアには孫楊を支持する数千件のコメントが書き込まれた。

孫楊は２０１８年９月、国際水泳連盟（ＦＩＮＡ）の委任を受けた国際ドーピング試験管理（ＩＤＴＭ）の職員が孫楊の中国の自宅を訪問した際、ドーピング検査のサンプル収集を妨害した疑いだ。当時、孫楊は血液が入ったドーピング検査用のガラス瓶をハンマーで割ったという。

ＦＩＮＡは「検査手続きに一部問題があった」として警告処分とした。しかし世界アンチ・ドーピング機関（ＷＡＤＡ）はＦＩＮＡと孫楊をＣＡＳに提訴した。ＣＡＳの裁判が遅れたことで、孫楊は２０１９年７月に光州（クァンジュ）で開催された世界水泳選手権大会に出場し、男子自由形２００メートルと４００メートルで金メダルを獲得した。当時大会に出場した多くの水泳選手は孫楊の優勝を認めなかった。

その後、ＣＡＳは異例にも公開裁判までした末、昨年２月、孫楊に対して８年の資格停止処分を決定した。しかし孫楊はＣＡＳの判決が不当だとして控訴し、スイス連邦裁判所は昨年１２月、これを受け入れて事件をＣＡＳに差し戻した。再審では「孫楊が無謀に行動した」と判断し、４年３カ月の資格停止処分とした。

孫楊は五輪だけで金メダル３個を獲得した世界的な水泳スター。２０１２年ロンドン五輪自由形４００メートルでは韓国の朴泰桓（パク・テファン、銀メダル）を抑えて優勝した。