米国と欧州連合（ＥＵ）が中国の技術崛起を牽制する「合同貿易と技術委員会」をともに新設することで合意した。バイデン米大統領は１５日、欧州連合（ＥＵ）のミシェル欧州理事会議長、フォンデアライエン欧州委員長との首脳会談で、米欧貿易技術委員会（ＴＴＣ）の新設に合意したとホワイトハウスが明らかにした。

この委員会は人工知能（ＡＩ）、量子コンピューティング、バイオなどの先端技術と標準に関する重要政策を調整し、サプライチェーン回復力を強化する案などを議論することになる。ホワイトハウスは「この委員会が２１世紀経済に進む道の規則を書くことになるだろう」と明らかにした。米国側からブリンケン国務長官、レモンド商務長官、タイ米通商代表部（ＵＳＴＲ）代表が共同議長を務める。

米政権高位当局者はＣＮＮに「特に経済分野と新興技術分野で次世代に向けた規則を作成するために協力するだろう」と話した。この関係者は「中国がこの２つの分野でともに重大な挑戦を提起しているという事実を考慮すべきで、中国の非市場的慣行と経済乱用、２１世紀の技術に向けた規則を作ろうとする努力はこの委員会の重要な任務でバイデン大統領の根本的な戦略にも合致する」と話した。これによりバイデン大統領は先進７カ国（Ｇ７）首脳会議（サミット）と北大西洋条約機構（ＮＡＴＯ）首脳会議に続きＥＵ首脳会談まで欧州歴訪のすべての日程で同盟が中国の浮上を警戒するよう説得する外交的成果を上げた。

この日米国とＥＵはこの１７年間にわたり通商分野で最大の争点だったボーイングとエアバスに対する航空機補助金紛争を終わらせ、５年間関税を猶予することで合意したとタイＵＳＴＲ代表がオンライン会見で明らかにした。た

だトランプ前大統領が触発した通商拡大法２３２条に伴う鉄鋼・アルミニウム関税紛争は今回の会議でいずれも解決されなかった。

ＥＵ首脳部はワクチンパスポート関連規定に最終署名したとＤＰＡ通信が報道した。これにより来月１日からＥＵの新型コロナウイルスワクチン接種者と回復した患者などはこの夏から隔離や検査なく域内旅行が可能になる。

これに先立ち１４日にＮＡＴＯは首脳会議を開き、中国の軍事的野望を「同盟に対する挑戦」と規定した。米国主導の中国包囲網構築に向けた枠組みを、Ｇ７を超えＮＡＴＯまで拡大したのだ。韓国を含むアジア太平洋諸国との協力にも言及するなど、米欧軍事同盟の本格的な拡張の可能性も開いた。

ＮＡＴＯはこの日、ベルギーのブリュッセルで首脳会議を終えて発表した共同声明で「中国の影響力拡大と国際政策はわれわれが同盟としてともに扱わなければならない挑戦」と指摘した。続けて「中国の明示的野望と積極的行動は規則に基づく国際秩序と同盟安保と関連した分野に対し構造的挑戦を呼び起こす」と指摘した。また「中国の頻繁な透明性不足と虚偽情報流布を依然として懸念している。中国は主要強大国として宇宙、サイバー、海洋領域で国際システムの約束を守り責任感を持って行動せよ」と促した。ＮＡＴＯが中国の浮上をこのように直接牽制するのは初めてだとニューヨーク・タイムズは指摘した。

共同声明はこれとともに「協力的安保と規則に基づく国際秩序を増進するためにわれわれの長期にわたるアジア太平洋地域のパートナーであるオーストラリア、日本、ニュージーランド、韓国と政治的対話と実質的協力を増進している」と明らかにした。ただロシアは「脅威」と規定したが、中国はそれより低い「挑戦」と定義して欧州諸国の意見を反映したという評価だ。