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【コラム】報復社会=韓国

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2021.05.25 11:46
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報復は国家の特権だった。規則を違反した者に公的機関が捜査と裁判で責任を問う手続き。正義を守るためには結構長い時間がかかったが、人々は絶えて待った。問題はこれに「今まで」という条件がつき始めたとのこと。最近、韓国社会の報復には公権力は見当たらず、懲らしめる者と報復を受ける者だけが目につく。警察と検察を不信に思う個人の登場は報復社会の予告篇だ。

映画『新感染 ファイナル・エクスプレス』のヨン・サンホ監督が書き、ウェブトゥーン『錐』のチェ・ギュソク作家が描いた『地獄』は、未知の存在から死を予告される人々の話だ。(※『地獄』のネタバレに注意)

 
このウェブトゥーンで地獄行きを告知された人は罪人とレッテルがつけられて「矢尻」という自警団に個人情報が公開されてリンチにあう。公的機関を象徴する刑事が登場するが、それも妻の殺人犯に「心身微弱」を認める国家に挫折感を感じる。皆が正義を叫ぶが、お互いを不信に思う地獄図がウェブトゥーンの所々で垣間見える。この話の素材も公権力に対する不信だ。

まだ米国や欧州のように武装した自警団が活動し、州知事を拉致しようとする計画まで企てるほど政府を不信に思う人々はごく少数だ。だが、左右極端で大衆を扇動するプロポカッター(Provocateur)の活発な活動を見ると、われわれにもあの日が遠くないという気がする。公権力が出る前に、ネット私刑でレッテルがつけられて先に審判と報復を受ける社会。このような社会での公的処罰は付随的なものだと感じられるほどだ。

現実で正義を守るのは難しいことだ。確実な証拠を提出しても起訴まで少なくとも数カ月。裁判日程がより伸びれば1審宣告が出るのに1年以上をかかったりもする。自身の事件を自身のことのように考えてくれる警察と検事に会うことも難しい。裁判所で「合理的な疑いがない程度」の証明を要求するから正義は遅れる。どの国より速いスピードに慣れているわれわれには「公的復しゅう」はもどかしく思える。

システムが完ぺきだというわけではない。それでもお互いを処罰する「報復社会」は解決法になることができるだろうか。ウェブトゥーン『地獄』で、人々は地獄行きを告知された人々を罪人だとレッテルをつけて彼らの死を正当化する。だが、死を告知された者の中には罰を受ける理由がない善良な人もいた。それでも彼らは残った家族が体験するレッテルを恐れて告知を隠して事故に偽装した消滅を選ぶ。真実を知るようになった者はそれを口にする瞬間殺される。

今、われわれは分かれ目に立たされているのかもしれない。公的権力を行使する人々に信頼を回復する時間はいくらも残っていない。狙撃と報復だけがある社会を正しいと言うことは難しい。そのため、毎日が恐ろしい。

パク・テイン/JTBC起動イシューチーム記者

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