【コラム】クアッドと韓国
ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版2021.05.09 11:13
3月12日のクアッド4カ国首脳会談の共同声明文を詳細に読んでみると韓国が注目すべき点が目に付く。5項目、700語余りで構成された共同声明文には「中国(China)」「軍事(military)」という言葉はひとつもなく、軍事と関連した「安全保障(security)」という単語もたった3回出てくるだけだ。残りはすべて新型コロナ、気候変動、核心技術、反テロリズム、高級インフラ投資、人道主義的支援、災害救助などの話で、どのように4カ国がこうした領域で協力するのかに集中している。
これに注目する必要があると話す理由は、韓国ではみんなクアッドについて米国が日本、オーストラリア、インドと連合して中国を軍事的に牽制しようと追求している安全保障の枠組みがすべてであると理解しているようだからだ。
韓国の国益の観点からあらゆる国際的懸案を冷徹に判断するには、その事案の過去と現在だけでなく、未来方向までも正確に理解する必要がある。クアッドに参加するかの否かも同じだ。クアッドの始まりそのものが2004年にインド洋で津波が発生した際に臨時的に災難救助次元で始まった。その後トランプ政権時代に米中関係が悪化しクアッドを対中牽制に向けた安保協力体と見なす傾向が多かった。