「慰安婦を連れて行かれるがままにした国、今では墓まで掘りおこせと言う」(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2021.05.04 07:33
すべて過ぎ去ったことだとは分かっているが、今はもう安全だと分かっているが、おばあさんは時々、夢を見ると慰安所に閉じ込められた十数歳の少女に戻った。「お母さん、お母さん…」。恐ろしさに震える幼い少女に戻ったおばあさんは空中で腕を虚しく掻きながら寝言で何度も母を呼んだ。おばあさんと一緒に部屋を使っていた幼い孫は、訳が分わからないまま「おばあちゃんったら!大きくなった大人がなぜお母さんを探すの?」と、変に思うばかりだった。
今年2月に亡くなった最高齢の慰安婦被害者(享年99歳)故チョン・ボクスさんの孫キム・ジヒョンさん(仮名・54)が伝えた子どものころの話だ。祖母がどのような苦痛を味わったのかは大人になってから知った。ジヒョンさんは先月29日、中央日報の電話取材に対して「祖母は亡くなる最近まで、そのような夢をよく見ていた。少女のころに戻って母親を探して、目が覚めてからは恐怖のため大声を出すこともあった。その姿を忘れることができない」と教えてくれた。