【社説】ワクチン外交に冷水浴びせた文大統領の発言
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2021.04.28 10:57
昨日を基準として韓国国民のワクチン接種率は4.7%、経済協力開発機構(OECD)加盟37カ国のうち35位だ。世界順位では70位圏外で、2回目の接種まで終えた接種完了率(0.2%)となると順位ははるかに落ちる。集団免疫の目標時点である11月までのワクチン需給に問題ないと政府がいくら強調しても、国民がすぐに信じない理由がこの統計で説明することができる。さらに多くのワクチンを確保するために国家的力量を総動員しなければならず、すでに確保した分量も実際の導入時点を操り上げなければならない。そうすることができなければ、コロナ脱出集団からはるか遠く置き去りにされることになる。
このような切迫した状況の中での文在寅(ムン・ジェイン)大統領のワクチン関連の発言には耳を疑った。文大統領は数日前の青瓦台会議で「(国際社会が)国境封鎖とワクチン輸出統制、買い占めなどで各自生き残りを図っている」とし、「ワクチン開発国の自国優先主義」と「強大国のワクチン買い占め」を強く批判した。ワクチン開発の圧倒的先導国である米国を批判した発言とみるよりほかはない。これは「開発途上国に対するワクチン寄付のような支援活動を行っている中国政府の努力を高く評価する」と話した文大統領の博鰲(ボアオ)アジアフォーラムの演説とは対照をなす。米国を批判して中国を称える姿勢が改めて浮き彫りになった。