ノーマスクなら「ワクチン接種したんだね」…1年で取り戻したイスラエルの春(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2021.04.07 11:09
今月4日(現地時間)、イスラエルのヤッファ通り。暖かい春の陽射しが降り注ぐ中、多くの人々で混雑している路地には活気があふれていた。1年余りで日常を取り戻した市民の間からも笑顔が絶えない。
この日、現場の様子を撮影して中央日報に伝えた海外同胞も喜びで気分が高揚していたようだった。「このような通りの様子を再び見れるようになるなんて!」。カフェから食堂へ、そしてさらにカフェに席を移動しても話は尽きなかった。
海外同胞のユ・ヒョンジュさん(41)は「少し前でさえ、カフェが閉店しているかテイクアウトだけが可能だったが、こんなふうにカフェで人と会ってコーヒーが飲めるなんて夢のようだ」と話した。昼食を食べるために訪れたケバブ食堂は人々で一杯で空席がなかなかできなかった。一行は仕方なくフムムス(hummus、ヒヨコマメで作った料理)のレストランで食事を取ったが、なかなか別れられず別のカフェへ向かった。
海外同胞が1年ぶりに再び集まって一緒に食事ができるようになったのは新型コロナウイルス(新型肺炎)ワクチンのおかげだった。この日集まった6人は全員ワクチン接種2回すべて終えたという。マスクを取って一緒に食事をしながら話をしても感染が怖くない理由だ。イ・ヨンランさん(49)は「イスラエルは(伝統宗教記念日の)ペサハ(3月27日~4月4日)が春の始まりだが、ワクチン接種で感染者が一気に減り、春を満喫できるようになった」と話した。
人口の61%がワクチン接種を終えたイスラエルはいち早く新型コロナ以前の日常を取り戻しつつある。集団免疫の達成が遠からずカウントダウンに入ったといえる。5日、ニューヨーク・タイムズ(NYT)は「イスラエルの経済はほぼ完全に再開した」とし「イスラエルはわれわれに新型コロナ大流行以降の営みがどのような姿になるのかヒントを与えてくれている」と評価した。
この日、イスラエルの感染者は「Worldometer」の基準で177人を記録した。イスラエルで一日の感染者が100人台を記録したのは昨年6月以降、初めてだ。今年1月20日には一日の感染者が1万人台まで高まったが、驚くべき逆転を遂げた。
新規感染者が大幅に減少してイスラエルは多くの商業施設を再オープンさせた。食堂・カフェ・商店・ショッピングモール・ジム・劇場・ホテル・酒場・クラブ・スポーツ施設などの利用に制限がなくなった。イ・ガングンさん(55)は「初期にはワクチンパスポートを要求していた所も、今となっては接種者が非常に多くなって検査もほとんどせず、接種を受けたと言えば入れてくれる雰囲気」と話した。復活節であるこの日には、1年ぶりに対面礼拝も人員制限なしで許可が下りた。イスラエルは現在の私的な集まりの場合、野外で50人、室内では20人まで許容しているが、今後この人数制限を徐々に解除していく予定だ。
海外同胞は「すべてのことがスピーディーに元の場所にもどりつつある」と口をそろえた。海外同胞がイスラエルの繁華街ベン・イェフダ通りの様子を撮影して中央日報に送ってきた映像によると、イスラエルのレストランの前には長い列ができている。通りにはバンドが戻り、大人がリズムに乗って楽しそうに体を動かすと子どももまねをして体を動かす。ベビーカーを押したり子どもを抱えたりして外出に繰り出した親たちも多い。若者たちは周辺の風景や自身の姿を写真に収めるのに忙しい。
昨年、新型コロナの余波で取り消しになったエルサレムのパームサンデー(復活節前の最後の日曜日)のパレードも数千人が参加した中で開かれたりもした。海外同胞コ・ジェウンさん(35)は「天気まで良いので公園には人々で混み合っている。家族単位で弁当を持ってきて一緒に食べ、散歩しながら幸せそうにしている人々を見ていると胸がジーンとする」とし「イスラエルにはワクチンと共に新型コロナ克服という本当の春が来ているようだ」と話した。
ノーマスクなら「ワクチン接種したんだね」…1年で取り戻したイスラエルの春(2)