「国民を守る」…韓国大統領選挙1年先の尹錫悦氏、リングの前に立つ(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2021.03.05 08:24
2019年7月に就任した尹氏は、チョ・グク前法務部長官一家など「生きている権力」を捜査して現与党圏から急激に遠ざかった。秋美愛(チュ・ミエ)前法務部長官の在任期には検察人事の協議や主要事件の捜査指揮から排除され、昨年11月には現職検察総長としては初めて職務停止・懲戒を受けたりもした。裁判所の執行停止により職務に復帰した後は、与党圏からの自主辞退要求が激しかったが一歩も引かなかった。しかし関係回復を期待した朴範界(パク・ポムゲ)法務部長官が先月7日、検察高位級幹部人事で李盛潤(イ・ソンユン)ソウル中央地検長と最高検察庁の参謀陣を交代してほしいという自身の意見を「パッシング」したうえに、先月9日、重捜庁法が与党「共に民主党」内強硬派の主導で発議されて去就を悩み始めた。尹氏は辞意表明前、周辺に「民主主義と法治主義守護のために検察に残っていてはこれ以上すべき仕事がない」という考えを語っていたという。野党圏の「場外優良株」だった尹氏が実際に政治的活動に突入するなら、大統領選挙にも相当な構図変化が予想される。差し当たっては、来月7日に行われるソウル・釜山(プサン)市長補欠選挙が関心だ。この選挙の結果によって、今後尹氏が政治的にどう動くか、その輪郭が表れるかもしれないためだ。
野党圏では尹氏の辞退が反文勢力の結集につながり、補欠選挙で有利な効果を上げるだろうという見通しを出している。ただし、尹氏と懇意にしている複数の人々は「『政治をするために職を辞した』という与党圏フレームに巻き込まれないためにも、尹氏が直接選挙戦に参戦する可能性は低い」とし「その代わり、重捜庁などの懸案に対する与党圏の攻勢には尹氏が積極的に反論するものとみられる」と話した。