【コラム】米国にとって韓国とは何か(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2021.02.18 13:22
1953年に韓国戦争(朝鮮戦争)が停戦協定で中断した頃、米国政府は韓半島(朝鮮半島)を中立化する案を持ち出した。スイスとオーストリアのケースに見られるように、周辺強国の合意なしに中立国宣言は不可能だという点を勘案すれば、米国と中国の敵対感が続く状況で韓半島を中立化するというのは決して現実的な案ではなかった。
当時の米ホワイトハウス国家安全保障会議の会議録を見ると、韓半島中立化案が提起されると、米統合参謀本部がすぐに反対した。しかしアイゼンハワー大統領の考えは違った。彼はスイスとスウェーデンを例に挙げながら中立化しても韓国が独自で武装することができると述べた。そしてこの時、決定的な発言が出てきた。CIA誕生の産婆役であり国務次官補だったスミス将軍は、米国が韓国を戦略的地域として考慮したことはなかったし、停戦協定後に韓半島の中立化と同時に在韓米軍が撤収することが、米国の誤った戦略を正すきっかけになると主張した。
スミスの発言が米国政府で普遍的な立場でなく個人の意見だったとみることもできるが、韓米同盟の観点からは理解しがたい発言だといえる。当時提起された韓半島中立化案は1953年以降、米政府の公式文書に出てくることはないが、なぜこうした発言が出てきたかについては考える必要がある。中立化政策がそれ以降出ていないにもかかわらず、在韓米軍の縮小と撤収に関する議論は続いたからだ。こうした脈絡はどう理解すればよいのか。