韓国系の米連邦下院議員が米国で美談の主人公になった。民主党所属のアンディ・キム議員（３９）が７日（現地時間）、デモ隊の乱入があった米連邦議会議事堂でゴミを片づけていたからだ。キム議員は２０１８年にニュージャージー州で当選した。民主党所属の韓国系で初めての連邦下院議員だ。

トランプ大統領を支持する過激デモ隊が議事堂に乱入した後、現場にはペットボトル、星条旗、捨てられた服類が散在していた。数千人のデモ隊が議事堂の内部を占拠し、警察と対峙して死傷者が多数発生し、窓が割られるなど現場は荒れた。

当時、議事堂にいたキム議員は警察官がゴミ袋を持って整理する姿をみて「私も袋が欲しい」と言ったという。その後、しゃがみ込みながらゴミ拾いを始めた。青のデンタルマスクを着用して黙々と片づけていたキム議員の姿をＡＰ通信と同僚の議員らが目撃した。

キム議員はやるべきことをしただけという立場だ。キム議員はＭＳＮＢＣのインタビューで「議会のロタンダホールを通り過ぎた時に多くのゴミが散らかっていて胸が痛んだ。民主主義が蹂りんされたという強い悲しみと同時に、秩序復元のために何でもしなければいけないと思った」と話した。これに先立ちキム議員はＡＰ通信には「誰でも好きなものが壊れれば直したくなる」とし「議事堂を愛する立場で何でもしなければいけないと思っただけ」と語った。

キム議員はＭＳＮＢＣのアンカーが「トランプ大統領弾劾案に賛成するか」と尋ねると、「賛成する」と強く答えた。続いて「この暴力を招いたのがトランプ大統領であり、彼は危険な人物」とし「議員としてできることをし（賛成）票を投じる準備ができている」と話した。

キム議員は即興的に動いただけだというが、彼の美談が残した波紋は大きい。米メディアのほか、フェイスブック、ツイッターにも「ゴミを整理する議員の感動現場」という要旨の文が掲載され、称賛コメントも続いている。ＭＳＮＢＣのアンカーはキム議員に「今日あなたがしたことに感謝の意を表す」という言葉でインタビューを終えた。