【コラム】尹錫悦検察総長排斥、法治主義が阻止した=韓国(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2020.12.29 10:52
危機の際、2度も手を差し伸べたのは裁判所だった。11月史上初めて職務停止にあった尹錫悦(ユン・ソクヨル)検察総長が数日で復帰できたのは、彼が申し立てた仮処分申請をソウル行政裁判所が認容したおかげだ。法務部長官の職務停止命令が検察の独立性と政治的中立性を害するという理由だ。全国の高等検察庁長以下の検事らも一息ついた。長官に命令撤回を集団で求めた彼らが組織の利己主義に陥って改革に抵抗したのでないと堂々と抗弁することができる。
裁判所は尹総長の軍配を上げ、検察の独立性と中立性という憲法の価値を根拠とした。指揮・監督を口実にした捜査干渉で法務部長官が検察の独立性と中立性を脅かす時もあったという現実を直視し、検事らの風よけという役割のために長官との関係設定に神経を尖らせざるを得ない総長の立場を十分に考慮した。「法務部長官の指揮・監督権に盲従する場合、検事らの独立性と政治的中立性は維持されることができない」という判示はそれゆれに響きが大きかった。