米下院外交委員会のホアキン・カストロ副委員長が１５日、中央日報－米戦略国際問題研究所（ＣＳＩＳ）フォーラム２０２０の基調演説で「（金正恩国務委員長ら）北朝鮮政権はいつも米国の新大統領の任期序盤に大きな挑発をしたりした。バイデン次期大統領の場合にもそのようにすると予想する」とし「米韓が共にこれに対応しなければいけない」と強調した。

カストロ議員は「私は本来、首脳会談を通じて難題を解決することに反対しないが、金委員長との写真撮影首脳会談やラブレター交換は北朝鮮の核兵器保有高の拡大を防げなかった」とし、トランプ大統領の首脳外交を批判した。

カストロ議員はバイデン政権の対北朝鮮接近モデルに挙がっているイラン核合意（ＪＣＰＯＡ）に関し、「イランと北朝鮮は核開発段階がかなり異なるが（制裁解除と核凍結を交換した）イランモデルが北朝鮮と取引するうえでいくつかの教訓を与えるだろう」と述べた。

ＣＳＩＳのビクター・チャ韓国部長もこの日の討論で「北朝鮮の大陸間弾道ミサイル（ＩＣＢＭ）と潜水艦発射ミサイル（ＳＬＢＭ）の脅威は、バイデン政権でも依然として安保優先課題になるはず」とし「核プログラムを凍結し、米朝関係の改善を通じて非核化交渉を進めることを目標にしなければいけない」と主張した。しかしチャ部長は「北朝鮮はイラン核合意とは違い、非常に長期的な交渉になるだろう」とも話した。

カストロ議員は「トランプ大統領の時代が終わり、バイデン次期大統領が就任すれば、米韓同盟は転換点を迎えるはず」と強調した。続いて「北朝鮮の脅威が強まり、強固な同盟を維持することが何よりも重要な状況で、トランプ大統領は韓国を金儲け事業の手段として利用して米軍を傭兵と考えたが、バイデン次期大統領は在韓米軍が米国の利益に必須であることを認識している」と伝えた。また「防衛費の分担が重要であり、韓国はより多く負担すべきだが、中国と北朝鮮の挑戦を扱うために強力かつ安定した米韓同盟ほど重要なものはない」と断言した。

カストロ議員は韓米同盟が北朝鮮の脅威に対抗する伝統的な軍事同盟レベルを超えて、多様な分野に協力を拡大すべきだとも強調した。韓国が民主主義国家として新型コロナ克服で見せた国際保健協力のほか、２０５０年の炭素中立（カーボンニュートラル）目標のための再生可能エネルギー拡大、腐敗の清算などを例に挙げた。

カストロ議員は中国について「米国は中国と保健・気候変動では信義を持って協力を続けるだろうが、経済分野ではトリックなく規則に基づき公正に競争しなければいけない」と強調した。また、韓国の高高度防衛ミサイル（ＴＨＡＡＤ）配備当時に経済制裁で報復したことを例に挙げながら「中国は経済力を利用して政治的イシューを強要しようとする」とし「米国は同盟と共に集団的な力を活用し、中国が他国を経済力で苦しめるのを阻止する」と明らかにした。

カストロ議員はマーク・リッパート元駐韓米国大使との対談で、「議会レベルで同盟再建のために、トランプ大統領の在任４年間に韓米同盟を含む世界の同盟に及ぼした『被害評価』からする」とし「政府とパートナーを組んで同盟と会い、自由・人権・民主主義を増進する『我々が帰ってきた』というメッセージを伝える」と話した。続いて「新政権と議会は北朝鮮の核武器庫がどのレベルかという点から把握し、北朝鮮の人権問題も最前方と中心に置くだろう」と述べた。