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【社説】米中紛争激化…韓国の半導体産業が不安だ

ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版2020.09.20 10:43
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米国の本格的な中国技術牽制が始まった。ファーウェイに対する全面制裁を先週発動した。米国の技術や装備を利用した半導体をファーウェイに売れないようにした。サムスン電子とSKハイニックスもファーウェイとの取引を中断した。

米国は簡単にはファーウェイに対する制裁を解かない雰囲気だ。トランプ大統領が即興的に出した方針ではないからだ。民主党のバイデン大統領選挙候補も似た立場だ。米国は未来経済・技術覇権を左右する第4次産業革命をめぐり既に中国に対する懸念が多かった。人権に配慮せず14億人のデータを思いのままに利用できる国のためビッグデータに関する限り競争しにくいという懸念だった。ビッグデータをベースに発展する人工知能(AI)に対しても同じだった。

 
そこで米国が注目したのが5G通信だ。第4次産業革命に必須の技術だ。遅れを取れば第4次産業革命全般で追いつきにくくなる。5Gへの歩みが遅れたロシアがどうにか米国の足を引っ張ろうと「5G電波は人体に有害だ」という風説をまき散らそうと工作までしたほどだ。通信技術のためデータセキュリティとも切っても切れない。米国がファーウェイを通じて中国を牽制する背景だ。

ファーウェイ制裁でサムスン電子とSKハイニックスは年間10兆ウォンほどの輸出に影響が出ることになった。だが反対給付もある。ファーウェイの5G通信装備とスマートフォン製造に影響が出て韓国企業などが反射的に利益を得られるという点だ。半導体もファーウェイの穴を埋めるだれかが代替購入をするだろう。「ファーウェイ制裁が韓国に利益となり得る」という分析が出ている理由だ。

しかし実状は決して楽観的でない。本当の問題は別にある。中国が半導体産業育成に全力を注ぐという点だ。そうでなくても韓国半導体を追撃するために途轍もない投資をし、人材と技術の引き抜きに熱中した中国だ。いまは半導体のために産業を高度化するという「製造2025」が崩れかねない状況だ。半導体自給に全力を尽くすほかない。日本の輸出規制に対抗し韓国が死活をかけて素材・部品・装備育成に出たのとまったく同じだ。

中国政府はすでに動きを見せている。半導体企業に最大10年間にわたり法人税を免除または減免すると最近宣言した。「南泥湾プロジェクト」を稼動したという報道も出てきた。南泥湾は抗日戦争当時に中国八路軍が荒れ地を開墾し自給自足を成し遂げた所だ。同じように半導体自給自足を早期に達成するという目標だ。

韓国としては警戒心を緩めてはならない状況だ。わずか4~5年後が危険だという危機論も出ている。半導体は韓国の輸出の5分の1を占める主力中の主力産業だ。追いつかれた瞬間に韓国経済は致命傷を受ける。追いかけられただけ先を行く「超格差維持」が切実だ。命運がかかった企業はそれをわかって奮闘しているところだ。政府の役割は2種類だ。ひとつはこれまで民間に任せて度外視してきた半導体新技術研究開発だ。もうひとつは企業の手足を縛らず、ひたすら超格差維持にすべての力を発揮できる環境を作ることだ。

しかし現実は反対だ。ソウル中央地検は大検察庁(最高検)捜査審議委員会の不起訴勧告を無視してサムスンを裁判に送った。政権と与党は企業を固く締めつける商法・公正取引法の改正案などあらゆる法律案を通過させると意気込んでいる。改正案の一部は世界的に類例がない「ガラパゴス規制」だ。これでは超格差を維持し難い。弊害と悪習をなくす規定は必要だが企業の手足を縛るガラパゴス規制は困る。商法・公正取引法など各種企業関連法改正案を国会が賢明に整えなければならない。だれがなんと言っても韓国経済を導く核心エンジンは企業だ。

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